BL漫画レビュー:鮫沢伐『群青に染まる』(あおにそまる)

「少女漫画からホモ漫画へ続くグラデーション」について取り上げる!と宣言したのに、素材のデジタル化が進んでいなくて、次回以降に繰り越すことを深くお詫び申し上げます……って誰に謝っているんだか(^^;

一応、おわる『キチク、エンカウント』と宮本佳野『RULES 2nd』が控えているんだが、いずれもデジタル化が進んでいなくて、積ん読状態になってる。

インターミッションじゃないが、『群青に染まる』を軽く流してみる。
数冊のコミックスが出ているようだが、僕は初見。

季節がめぐるたび、
君は大人になって
恋を知る。

他人への興味が薄いと言われていた高校生の矢野爽太郎。
そんな爽太郎を変えたのは、臨時教師の管 理人とのある夏の出来事だった。
ただの教師としか思っていなかった管の「センセイ」ではない表情を目にした瞬間、初めて他人を「知りたい」という衝動に駆られた爽太郎は、今まで感じたことのない気持ちを抱きながら管のもとを訪れーー。


そうやって少年は大人の階段を上るのですな。

僕が新宿二丁目に足を踏み込んだ頃、一応立派に高校生していたけれど、教壇に立つのはおじいちゃんセンセイか、ヒステリックな現国BBAというスタメンで、まあ、センセイに対して甘酸っぱい気持ちを抱いたことはなかったなー。

この爽太郎クンというのが、イマドキ滅多にないほどの素直な大型わんこ系高校生で、なんか甘酸っぱいんだわ。理系の子はすれていないんですかね??


ただまあ、個人的には、作者の語感に対するセンスはイマイチかなあと思う。

例えば人気少女漫画だと、咲坂伊緒の「アオハライド」なんかは凄く語感が良い。確か、アオハライドは青春からイメージする「青」がドライブする、駆け抜けて行くというイメージで造語されたと聞いている。

鮫沢作品だと、例えば群青を「あお」と読ませたり、青春を「きみ」と呼ばせたり、なんだか1960年代とか70年代の青春小説か、日活映画風なんだよな。狙ってダサくしているのならともかく、「青春(きみ)に染まる」なんて、センセイは相当なおじいちゃんなのか??と思ってしまうぞ。だけど、このカットは良い。恋人に顔を触られるのって、とても幸せな状態だし。

1.絵柄
そうだなあ、めちゃめちゃ上手いとも言えないけれど、めちゃめちゃ下手でもない。ときどき良いなあというカットもあったり、今風だったり、一昔前の感じのコマもあったりで、あまり安定していないのかもしれない。

2.ストーリー
高校生と臨時講師の恋。センセイはもともとガチホモだったとして、爽太郎はスルッとこちらの道に入ってしまうのだけど、良いのか?葛藤とか無いのか??

3.エロ度
「わざと煽っては絡め取って、なんの色情も知らないうちに、女の味を知る前に、おまえのこと捕まえときたい」
センセイ、結構策士なのな。

爽太郎(こいびと)の若さに俺も染まってる気がする……ってルビで読み替えを多用するとダサいからやめようよ。

4.まとめ
サイダーのような爽やかなふたり。
大型わんこ系は腹筋がバキッ!!☆/(x_x)割れで麗しいわ。

絵柄 :★★★☆☆
ストーリー:★★★☆☆
エロ度 :★★★☆☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)

2 件のコメント:

  1. cool.october2007様、こんばんは。
    「少女漫画からホモ漫画へ続くグラデーション」の話をすごく読みたいです。お待ちしております!(圧力をかけるのではありませんよ。)

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  2. >>センセイは相当なおじいちゃんなのか??>>
    めっちゃ、笑えました。

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