上野公園で桜を眺めた。

晴れ。23.6℃/9.4℃/33%

これは昨日の話になるのだけれど、「イミテーション・ゲーム」を見に行く前に、上野公園で桜を眺めていた。上野駅公園口からすでにとんでもない人の出で、老若男女というよりは外国人が多すぎ、という感じだった。

桜はほぼ満開という感じだった。
桜の下では昼間から酔っぱらい達がご機嫌で、ひどく賑やかだった。

いつもならキヤノンの一眼レフに白レンズを噛まして、空気まで映り込む美麗な桜を撮りに行くのだけれど、今年はとにかく無気力で。ズームも出来ないiPhoneのカメラで撮ってきた。怖いことに、たかがiPhoneでも多くを望まなければまあまあのクオリティが出る。カメラ専業メーカーもだんだん辛くなってゆくのかな。






迷子のアナウンスがあって、皆が耳を澄ましていると「旦那さんが公園前派出所で待っています」と続くとあちこちから笑いが漏れる。子供じゃないのかよ(w

ゆらゆら散歩の後、少し歩いて一風堂に入る。
実は一風堂に入るのは初めて。
食わず嫌いしていたわけではないのだが、なんとなくこれまで縁がなかったのだ。

店に入って、一口スープを啜ってみて分かったことがある。
臭くないんだわ。
本格長浜ラーメンとか謳っている店は、しばしばとてつもなく空気が生臭い時がある。
お酒飲んだあとでの入店じゃ、思わずリバースしそうになるほど。
それに比べると一風堂は上品だ。外国人にウケるわけだね。


イミテーション・ゲームを見てきた。

晴れ→雨。21.1℃/9.0℃/55%

上野で花見をした後、カフェにこもってMacBook Airにひたすら打ち込みをしていた。
そして夕方から始まる回の「イミテーション・ゲーム」を見に行った。

心臓を掴み出されるような、映画を見て、こんなに胸が痛くなったのは初めてだった。
英国の天才数学者アラン・チューリングの数奇な運命を描いた作品。
メインはナチスドイツが運用していた暗号「エニグマ」の解読のため、現在のコンピュータの原型となる暗号解読器を制作するあたりか。確かにすごい話だった。

その前に……チューリングが同性愛で逮捕されるんだけど、最初のシーンからね、チューリングがアスペルガー症候群の人だということが暗示されるのだ。いや、数学者だから変人、天才だから変人、というワケじゃなくて、あれは典型的なアスペルガーなんだ。「アスペルガーのうえに、ゲイだったのか」……もう見ていて痛々しくて仕方なかった。

もしも、彼がただのアスペルガーだったら、世間と折り合いが悪くても、変人学者として長生きできたかもしれない。もしも、彼がただの同性愛者だったら、新聞沙汰になることもなかったかもしれないし、英国が住みづらければ国外に出るなりやり方はあっただろう。だけど、彼はそういう器用さはなかったんだろうな。そして同性愛で有罪判決になった彼は、1年間の女性ホルモンの投与を受けたのち、自殺する。性ホルモンが乱れると、人間は鬱病になりやすくなり、自殺者も出る。性転換者にメンヘラーが多いのはそういうわけで。当時の処置は本当に酷い話なのだ。

それにしても、なんというか……パブリックスクール時代の同級生に抱いた淡い恋心と、一度婚約したあと破断した女性数学者を除いて、チューリングは愛を知らない生涯だったのだろうか?それは彼が不器用だったせいなのか、それとも同性愛者だったからなのか??なんだか、チューリングが哀れで仕方がなかった。
※追記あり

そういえば、以前、アナザー・カントリー、モーリスが流行った時期があったっけ。あれも共産主義に傾倒しちゃってスパイになってしまう人の話であったけれど、登場人物がみんな美形だったんだ。結末は結構悲劇なんだけど、それなりに同性愛をエンジョイした時期もあったんだろうと妄想する。だけど……チューリングはあまり美形でもなかったんだよね。しかもアスペでコミュニケーションも色々大変そう……そんなことを思ったらますます切なかった。


こんな美形だったらね……。


追記:
一晩経って、チューリングが暗号解読器に「クリストファー」と名づけていることを思い出した。映画を見ていない人にはなんのこっちゃだが、クリストファーとはパブリックスクール時代、チューリングの唯一の理解者で親友で、そしてチューリングが恋した同級生の名前。だが、生身のクリストファーは結核で早逝してしまう。

チューリングは機械は意識を持つかどうかについて、刑事と議論をする。その中でチューリングは、意識を持つかどうかは機械になってみないとわからないという。

チューリングは、いずれクリストファーが意識を持つようになると考えていたんだろうか。いまは機械が意識を持っているかどうかなんてわからないけれど、いずれ彼が生涯で唯一愛した少年を再生して、なにか語り合う日のことを夢見ていたんだろうか? チューリングは愛された記憶は少ないかもしれないけれど、深く愛した記憶を生涯抱えて生きていたんだね、

山中ヒコ「500年の営み」を思い出したよ。

流山「丁字屋」へランチに行く。

髪を切ったあと、ランチを食べにひさしぶりに遠出した。
いま、クルマを運転できるのは僕だけで、エンジンを掛ける頻度が下がってる。あまりほったらかしていると、バッテリーが上がってしまう。

で、今までに行ったことのない町へ行くことにした。
以前彼氏とアド街ック天国を見ていた時、流山が紹介されていた。
千葉県民の間では長らくマイナーな存在であった流山が、つくばエキスプレスの開業以来だいぶ栄えているらしい。しかももともと歴史も相当あるのだとか。

戊辰戦争のあと、新撰組局長の近藤勇が新政府に捕まったのが流山。ここには近藤勇の陣屋跡がある。最初はどこを訪ねれば良いのか分からなかったが、それらの史跡は流山街道から江戸川よりに奥まった通りに集中している。その通りには適当なコインパーキングが見つからなくて苦労した。流山街道まで戻って駐車場を見つけた。

で、駐車場を探すのに手間取り、それらの史跡を見ることもなく、TVで紹介されていたレストランでご飯を食べた。なにをやっているんだか。。。

一番ベーシックなランチコース。
パン2種類、サラダ、パスタかピッツアをチョイス、食後のコーヒーまたは紅茶。
流山はみりんの町。ピッツァに掛けたり、ボロネーゼの隠し味に使われていたり。






会計の際に、パンに合わせて出された「アンチョビバター」を買った。
食パンやバゲットに付けて食べると美味だった。

大正時代に建てられた足袋屋をイタリアンレストランに改装した「丁字屋」。
人気店で、ランチの時間を外した13:30頃から食事にありつくまで40分近く待った。
出来るならば予約した方がいい。
スタッフのホスピタリティはなかなか良かった。