たまには房総半島もいいよ

明日から昼間の時間が長くなってゆく春分の日。
3月も下旬になって、なんか慌ただしく時間は過ぎてゆく。
その流れの中で、僕は茫然と目の前の事々に立ちすくんでいるだけのような気もしてる。
3月は好きだけど、嫌い。
いろんなことが愛憎半ばする憂鬱な季節なんだ。

3月10日、11日の二日間、房総半島にいた。
2月、突然温泉に行きたいと父親が言い出し、慌てて手配した。

前月はいろんなことがあった。
身近で連れ合いを亡くす人が立て続けに現れ、TVでも自分も知っているような人たちの訃報が続き、自分の周りで「退場」が始まったと切実に感じるようになったから。
できる時に、できる事をやっておきたい、そんな衝動に突き動かされた。

京葉高速を走り、市原ICから一般道に降りて大多喜を目指した。
冬枯れの田圃と菜の花が続く田舎道を走った。
途中、なんどかいすみ鉄道も見かけた。
TVに何度も登場した、ムーミンの描かれた黄色い車体だった。

大多喜には小さな城下町と、郷土資料館になっている小さな天守閣がある。
以前九州有田町で見たような、黒い板張りの壁と重厚な瓦が乗った古い町並みがあって、そして歩いている人がいない鄙びた光景。散歩する余裕があれば良かったんだけれど。


大多喜はタケノコの産地。
せっかくだから春の郷土料理が食べたいということで「たけのこ」という料理屋に入った。3月、4月だけ食べられる「たけのこステーキ」が絶品だった。焼きたけのこが出るだけっしょ?って舐めてかかっていたら、薄切りで柔らかい食感のたけのことデミグラスソースがやたらに相性が良くて美味いの。



櫻井翔も絶賛よ。
しっかしいつの時代の櫻井翔なんだろうね。

で、たけのこご飯も意外な供され方で、いい意味で期待が裏切られた。
胡麻を振って、スプーンで食べるのもありなんだね。


大多喜から外房に向かってクルマを走らせた。
宿は温泉の出る小湊にある。
チェックインは15時から。
14時過ぎに僕らは宿に着いてしまい、近所の誕生寺で時間をつぶす。
小学生の頃に来て以来の場所だわ。

「海の庭」は小湊漁港に面した、全部で8室のこぢんまりとした宿だった。
2面に窓が切られた部屋には、海に向かって小さな椅子が二つと、炬燵が設えてあった。
窓の外には海と漁港、釣り人たちの姿がよく見えた。
て、ことは漁港からも部屋がよく見えてしまうということなのだが。。。
畳にごろりと寝転んだり、日が暮れるまで飽かずに海を眺めたり。
だらだらしに来たので、チェックイン後は温泉と食事以外は一切予定を入れない。



「漁師料理」が売りの和風旅館。
スタッフも民宿とホテルの中間くらいのフレンドリーさで、いい空気が流れている。
晩御飯は船盛の刺身に、アワビを使った料理。



食べきれないほどのボリュームの新鮮な海の幸。
大変結構なんだけど…………昼間のたけのこステーキが美味過ぎた。
あれの後では新鮮な魚介も霞んでしまったのは残念。

翌日は九十九里浜の脇をずっと爆走。
房総の鄙びた風景が、上総一ノ宮に入ると突然カフェとサーフショップが立ち並んでいて驚いた。
ああいう町に住んで、海辺で暮らすのもいいなあと思う。

房総半島をふらふらするのも結構いいんだよ。

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