旅する理由

曇りときどき雨。台風接近中。30.0℃/25.6℃/70%/682day/14020(+0)

僕らが映画を見に行く約束をした数日後、太平洋上でぽっと生まれ出た台風が、まさか僕らのデート当日、東京にノコノコ乗り込んでくるとは想定外だった。くそったれー、うらむぞ台風!強力な晴れ男を自認する僕だって、台風と真っ向勝負は無理無理ムリ。残念だよー。ご縁がないのかもしれないな。

悪天候に巻き込まれる前にオフィスを出て、最寄り駅から自宅に戻る途中、シャンプーを買うためにマツキヨに立ち寄った。そしたら"海苔ピーパック"が¥140のお値頃価格で放出中。もちろん買ったよ、3パックも。僕は品川巻が好きなんだ。

ジャンクフードに押されて品川巻を見かけることが少なくなったけど、海苔が巻かれた醤油せんべいというシンプルで奥深い味わいは日本の懐かしい味だと思いません?品川巻は海外で長く暮らしている人に会うときの定番の手みやげで、受け取った人は「おうおう、懐かしいね」と相好を崩す。一緒にビールを片手にポリポ リとやりながら、めずらしい異国生活の話を聞いたり、翌日の旅程に想いを馳せるのだ。

佐野洋子がこんなことを書いている。

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ひりひりするような孤独感が、たよりない心細さが、この美しい風景の中に最愛の人がそばに居ないことが、このめずらしいおいしいものを一人で食べている味気なさに泣きそうになることが、そしてもしかしたら人は本当に一人ぼっちなのかもしれないという恐怖にかられることが、そしてわたしあの親しい人達に今すぐ会いたいと本当に思っていることを確認したいから、旅が好きだと答えられる。
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やばい。ものすごく共感してしまう。 (^^

台風のばかやろー!!

映画デートが流れちゃった。 (´・ω・`)ガッカリ…
台風の大ばかやろー! 

MADONNA - RAIN
http://www.dailymotion.com/video/x5r8n_madonna-rain_music

ハルノサカリ

"佐野洋子""ふつうがえらい"を読んでいると、気持ちがザワザワするときがある。この人と僕とはどこか似ている部分があるんだと思う。林真理子のエッセイなんかはまったく他人事として笑っていられるけれど、佐野洋子は時々笑えない。やぁばい。

いま「私日本人です」という、隣家の"ちゃぼ"との格闘記にさしかかっている。夜、ちゃぼがのべつまくなしに「コケコッコー」と鳴くので、おちおち寝ていられないという話である。神経症にかかった筆者は1ヶ月友人宅に避難した。そして……

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 一ヶ月して帰ってきたが、にわとりちゃんは相変わらずである。私はスイミン薬を飲むようになった。
  泊まりに来た友人が朝五時に突然ジーパンをはいて「帰る」と言って帰った。「コケコッコー」が三時から始まったのだ。しばらくして電話があって、「中央高速で50キロオーバーでつかまった。罰金七万円とメンテイ三ヶ月だよ。あのにわとり殺せ」とどなってきた。もっと気の弱い友人は、朝起きて来て、小さい声 で、「隣のにわとり、鳴くのね。もう来ない」と言った。
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いいオトナが「殺せ」って口にするのもなかなかすごい。
隣家のペット被害ってのはシリアス。
僕的にすごく刺さったのはこの先。

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 ……息子の友達に「あのにわとり殺してくれたら、十万円やってもいい」と言うと、「え、マジかよ、俺やるぜ」と今すぐにでも立ち上がりそうになった。「うそだよ、冗談」と私は力なく言う。
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この息子の友達というのは20歳前後の大学生あたりだろう。
いい大人たちが「隣のにわとりを殺せ」とか言っているのもなかなかシュールな光景で想像するだけで笑えるんだけど、さらに「え、マジかよ、俺やるぜ」という若い男らしいためらいのなさがイイ感じに刺さったってわけなんです。(笑

ウチも隣家のペット被害にあったことがある。
父が新興住宅地に家を建てた頃、周りはまだ空き地だらけだった。
翌年隣人が家を建てて引っ越してきた。4人家族と犬1匹。これが"ぽち"という名の見るからに頭の悪そうな雑種犬だった。

季節は秋だった。まず引っ越して来てから3日間、見知らぬ場所に連れてこられたぽちはパニックになった。3日3晩朝から晩まで吠えに吠えに吠えまくって、町内中を不眠の恐怖に叩き込んだ。「隣んちに文句を言え!」「あの犬たたき殺せ」と大変な騒動になって、引越早々お気の毒にと思ったもんだ。ぽちも最後には 声が枯れて「ひゅううん、ひゅううん」と鳴いているのが哀れだった。

季節はめぐり、春。
「ぽちがサカってら」けっけっけと弟が下卑た笑いで報告に来た。思春期の少年にとって相手が犬畜生であっても、性行為を連想させるものにはチラチラと気になるわけです。かわいそうなことに、ぽち は頭が悪い上に、面構えも全然いけていなかった。もてない犬というものを目の当たりにして、僕ら兄弟はなすすべもない。そのうち「あうぅぅん、あうぅぅん」というぽちの悩ましい求愛の雄叫びが殷々とガラス越しに侵入してきて、僕ら家族は寝不足に陥った。

ついに「誰か雌犬あてがってやれよ」なんて話題が食卓に上がる。
「ええっ!?そんな無理だって」
「ウチでそれを斡旋するの?」
「子供が生まれたらどーすんだよ」
「バカ犬の子供って、なんかイヤ」
「去勢するとか?」

日曜の晩飯がなんか生々しい場になったし。
サカったぽちとのつきあいはそれから3年くらい続いたと思う。
いまは静かな生活さ。(^^;