「今日、カプリ島へ行けと、オレの勘が言っている」 2011年欧州旅行記-23

時差ぼけが続いているのか、それとも気持ちが浮き立っているのか。
目覚まし時計もないのに、僕は朝6時前には目を覚ましてしまう。

隣で眠っている彼氏を起こさないようにベッドから這い出して、テラスに出る。外は朝焼けに染め上げられたヴェスヴィオ火山の稜線と、そして鏡のように穏やかなナポリ湾が広がっていた。ほとんど物音もしない空間を、小さな漁船が滑るように進んで行く。丸い弧を描くように網を仕掛けているようだ。どんな魚が揚がるのだろうか。


しばらくすると「おはよー。早いね」と言いながら彼氏が現れる。ふたりで穏やかなナポリ湾を30分あまり眺めていただろうか。唐突だけど「今日、カプリ島へ行けと、オレの勘が言っている」と僕は言った。彼氏は「ええっ!?」と怪訝な顔をする。あのときは詳しい説明をしなかったけれど、波が高いと入ることのできない青の洞窟。ほとんど風もなく、鏡のように凪いでいるナポリ湾の状況を見ていたら、今日ならば青の洞窟に入ることのできる確率は高いのではないかと考えたのだ。海がこんなに凪ぎいているというのに、このチャンスを逃す手はない。

なにを言っても仕方ないと思ったのか、「じゃあシャワーを浴びてくるね」と彼氏はバスルームに向かう。彼氏がシャワーを浴びているあいだにカプリ島への向かうフェリーのスケジュールや、カプリ島内のバスの接続などについて資料を読み返した。

交代でシャワーを浴び、7:00から始まる朝食に間に合うよう、6:50分には慌ただしく部屋をあとにした。ベッドなんかはもうグチャグチャ。


ロビーは人気がなくて、早起きして散歩から戻ってきた女性などが時々姿を見せるくらいだった。皆、心地よい眠りの中でまどろんでいるのだろうか。

3 件のコメント:

  1. ちゃいこです。
    ごめんごめん、何回もコメント入れてるんだけど、
    なかなかうまくいかなくてね、
    匿名にしたらできた。
    上のためしってのも、私です。
    しかし、
    すんごいキレイだね~!!
    一枚目は朝焼けってこと?
    こりゃもう、絵を見るより、絵になるね。
    ラベンダー色の朝。ステキ♪
    俺の勘はスゴイね。
    マジ、この日行って正解よ。
    いや~、ホント、楽しいね、イタリア!!
    続きも楽しみにしてます。

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  2. > ちゃいこさん

    あらら、コメント入力にお手間を掛けさせて申し訳ありません。皆さんがめんどくさいだろうと思って、英数字を入力して投稿を認証させる制度はやめました。。。。

    ソレントの朝焼けは美しかったです。
    実はブログに掲載するために、オリジナルの写真の解像度をずーっと落としているんです。元の写真はもっとソレントの空気が写り込んでいる感じです。その風合いが失われてしまうのはとても残念です。

    次回、カプリ島編です。
    ちなみに、3日目の朝のお天気も撮影してありますよ。お楽しみに!

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