エピローグ 2014年タイ旅行(9)

最終日の朝、僕らは4:00にベッドから這い出した。
前夜、日付が変わる頃まで反政府デモ隊は叫び声をあげていた。
彼らが騒ぎ出すまであと一時間。
寝不足の頭を振りながら、僕らはシャワーを浴び、最後の荷造りに取りかかる。

5:00AM。
チェックアウトの手続きを終えると、僕たちは朝食の入った紙袋を手渡され、1階ロビーに向かう。タクシーの手配を頼んだけれど、バリケードで車が入ってこれないという。BMWのリムジンなら準備できるが1500バーツ。極力手持ち現金を減らしていた僕らは、両替しないとお金が足らないと大騒ぎ。彼氏があたふたと両替して戻ってくると、コンシェルジュがなんとかタクシーを用意するという。30分くらい待ってタクシーが来る。

ラーマ4世通りをチャオプラヤ川方面に少し走って、高速道路に上がる。
8:30に離陸する僕のフライトまでに、すでに2時間を切っていた。
まだ薄暗い高速道路は、スワンナプーム国際空港へ急ぐ車で混雑している。

ANAのカウンターでチェックインを終えたときには、出発まであと50分。
急いでパスポートコントロールを通過し、慌ただしくお土産のチョコレートを買った。
彼氏は離陸まで数時間を空港で過ごす。
手を振る彼氏を何度も何度も振り返って、僕はゲートをくぐった。
何度も繰り返してきたけれど、別れの時はさみしいなあと思う。

反政府デモに遭遇したりと、今回のバンコクはひと味違う滞在だった。
先日、バンコクに非常事態宣言が布告されたという。
現在だったら、とてもじゃないけど渡航はできないだろう。

さて、次は彼氏とどこへ行こうか。

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