人生の杖は何本も持っていないと。

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仕事を切り上げて、僕はまもなく日没を迎える秋葉原の町にいた。
中央通りに面した愛三ビル前交差点で、少し背伸びをして前方を見やった。
思ったよりも近くに神田明神下から湯島へ向かう国道17号線の坂道が見えて驚いた。
あの坂はあんなに近かったっけ?

住友不動産ビルの脇を進み、ニッピンの前を抜けて、いわゆるPCのパーツショップが集積している小路を歩いた。探しているのは日立製1TBのリテールパッケージのハードディスク。今回壊れたRAID1ドライブと同じものが必要だった。数店舗で価格を調べ、TWOTOPで￥4,700で購入できた。カカクコムの最安値とほぼ同価格帯だったから、まずまずの買い物だったと思う。

それにしても秋葉原は変わった。
すくなくともPCが特殊な趣味じゃなくなって、パーツに群がっている濃いオタクは減った。いや、ちがうか。若いオタクが減って、僕やそれ以上のおっさんがPCパーツを手にとって眺めている。時代が移ったんだなあ。今の若い子なんて、おしゃれにMacとか使っているんだろうな。そんなことを考えながら、帰宅客で混雑する総武線に揺られてきた。

自宅に戻り、ハードディスクのSATAケーブルを抜いてブートさせてみると、どうやら問題らしいディスクの当たりがついた。そいつを抜き出して、元々のディスクだけで立ち上げてみると、正常に動く。次ぎに新しく買ってきた新しいHDDをつないで、ミラーの追加をさせてみると「冗長化失敗(ページファイル、危険)」とでて作業が中断した。
なんとなくWindowsのページファイルが壊れているっぽそうだったので、ページファイルのサイズを0にして再度冗長化させるも失敗と出る。しかも「冗長化失敗(危険)」だってさ。どうしたらいいんだか。

とりあえず、ミラーリングを止めて、データの残っているドライブのディスクチェックを実行中。これで致命的な問題が出たら、さあて、どうしようか。データだけ待避させてクリーンインストールからやり直さなきゃならないのか……。。。

そういえば、今朝の電車の中で福島原発事故がきっかけで、将来の見通しが持てなくなった乳牛農家が自殺したという記事を読んだ。そこについたコメントの一つに、「男は背負う荷物が多いから、人生の杖は何本も持ってなあかん」みたいな書き込みを見かけた。なんか、すごく強烈な言葉だった。男性に限ったことではないが、自分を支えるための杖が乏しいと、ポキッと折れてしまったら、たしかにそれまでなんだよな。自分はちゃんと杖を持っているんだろうか。