成田空港にて 高雄・台北紀行2015(1)

恒例の誕生日祝いを兼ねた彼氏との旅行は、今回はおひさしぶりの台湾。
一時台北に通い詰めた彼氏ほどではないものの、渡航歴は数回ある地。
緊張感のなさは、後半、いろいろとトラブル発生の原因になるのだけれど、ふたりでゆるゆると台湾に向かった。

彼氏と僕は、ここしばらく現地集合が続いている。
もちろん利用する飛行機は別。
今回はフライト時間が短いこともあって、僕はヴァニラ・エアで移動することにした。

だがしかし、ヴァニラ・エアは成田7:30フライトという鬼スケジュールで、始発電車では間に合わない。東京発の深夜バスを利用するか、自宅から車で移動か。あるいは成田前泊…千葉者には一番考えられない手段なのだけど。

木曜日、定時を90分もオーバーする会議を入れやがったクライアントを恨みながら、僕は京成上野駅を目指していた。スカイライナーが終わっていることに驚いたけれど、イブニングライナーというヤツに飛び乗った。イブニングライナーってのは通勤電車らしく、乗客は途中でどんどん降りて行く。空港一駅前の成田駅で、車両に残っていたのは僕だけ。心細い思いをしながら第二旅客ターミナル駅で下車。生まれて初めてカプセルホテルってやつに宿泊するのだ。

9h(ナインアワーズ)というカプセルホテルが第二旅客ターミナルにある。費用は3千円台だったから、出発ロビーのソファで野宿したり、ネカフェで寝るよりはましだろうと思ったんだ。フロントでキーを受け取り、左右どちらかの扉の先へ進む。男女でまったく別エリアに宿泊するので、そういう意味で女性は安心できるだろうと思う。フロントで手渡されたのは簡易パジャマ、タオル2点、歯ブラシ。
扉の先には大型ロッカー室があって、鍵の番号に従ってロッカーにスーツケースを納め、簡易パジャマみたいな服に着替える。その先に洗面とトイレゾーンがあり、さらに先にはシャワーブースがあった。カプセルが並んでいるのは別エリア。宇宙船のクルーレストのような幻想的な光景が広がっている。



カプセルはお世辞にも広いものではないけれど、シェードを下ろすと案外落ち着く。布団は軽くふかふかで、寝心地は悪くない。コンセントが一つあるので、スマホなどの充電が可能。モーニングコールはないので、持参スマホなどの目覚ましを利用する。

空港内のコンビニで買ったおにぎりを食べた後、歯磨きをして布団に潜り込んだ。寝心地は悪くないが、普段戸建て二階に一人で暮らしている人間には、ちょっとした物音でも目が覚めてしまう。外を歩く人の足音、時々ミシミシいうカプセルの音で、何度も目が覚めた。5:00AMにアラームをセットしていたが、結局4:15には起床してしまう。あちこちのカプセルから目覚ましの音が聞こえてくる。ゆっくりとシャワーを浴び、髪を乾かしてからチェックアウトした。

外は日の出前、空港周辺はまだ闇に包まれている。
寝坊さえしなければ、歩いてチェックインカウンターへ行ける環境は悪くないと思った。


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