土曜日はフィットネスクラブで走った後、"父親たちの星条旗"を見てきました。
有名なこの写真にうつしとられた6人の物語だ。
アーリントン墓地でこの写真が元になった巨大な彫刻を見たことがある。なんか旧社会主義国のプロパガンダアートと同じだなって思った記憶がある。なんてか勇ましいのだ。むしろこの写真には誰の顔も写り込んでいないから、より一層シンボリックに仕上がったのだろう。そのとき彼らがどんな表情をしていたのか想像する余地が生まれるから。
映画の中では"プライベート・ライアン"に引き続き、壮絶な戦闘シーンが展開する。これを見ると、戦闘というものは総火力と補給、そして兵員の消耗率で決まるのだなと言うことがわかる。弾が飛んでくる。弾に当たると身体に穴があく。あいた穴から生命が流れ出して、やがて絶命する。戦争ってそういうことなのだと。弾に当たるには理由なんかない。わずかな運の差。主要人物の一人が「ただ弾をよけるのが うまかっただけだ」という言葉が重たい。
戦争を遂行する上で経済的バックグランドは必要になるわけだが、アメリカ本土の華やかなパーティーシーンが続くたびに、前線で泥まみれで戦っている兵士の悲哀が浮き彫りになってくる。
戦時中は英雄と称えられた3人も、その後はけっして幸せな人生ではなかった。
みんな戦争に人生を狂わされてしまったという普遍的なテーマ設定である。
関心のある人は直接映画館へ足を運んでみて欲しい。"プライベート・ライアン"ほどには俳優のキャラが立っていないし、個別のエピソードの弱さは否めない。でも戦争映画として歴史に名を刻む名作だと思う。
最後に。硫黄島の激戦を、アメリカからの視点、日本からの視点という二作品でリリースするあたりは、クリント・イーストウッドのバランス感覚と日米両国の蜜月時代の現れなんだなって思った。こんな時代が長く続くことを祈りたい。
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