プーケット国際空港にアプローチする飛行機の中からも、島が厚い雲に覆われていることが見て取れた。それでもまだ白い天幕が張られたような空だった。
ヴィラに到着して30分もしないうちに空は鈍色の雲に埋め尽くされた。
程なく激しい雨がヴィラを包み込む。
僕らはヴィラに閉じ込められて、サラの屋根を叩くスコールを眺めていた。
これがスコールというものなのか。
やることのない僕たちは、天蓋付きベッドで遊んだ。
天井から続く細かいレースは、うん、ロマンティックな装飾品と言うよりは巨大な蚊帳(かや)。僕たちの祖父母が過ごしていた昔の光景はこんな感じだったのだろうか。
日が暮れたあとも雨は降り止まなかった。
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