バンコクで見た天気予報では、プーケット滞在期間中はずっと雨が降ると書かれていた。明日もこんな天気が続くのだろうか。
晩ご飯を食べるためにヴィラを出る。
普段のホテルとは違い、ちゃんと「戸締まり」をしなくちゃならない。
つかの間彼氏と一緒に暮らしている家のような感じがした。
ヴィラからメインダイニングへと続く道は、小さな灯りがぽつぽつとあるだけで、闇の中を歩いて行く。フロントまで続く石橋も、もちろん足元に必要な灯りはあるものの、酔っ払って歩いていたら池に落ちても不思議ではない。こんな暗さはハワイ島のマリオットホテル以来だった。
スタッフに招き入れられて、メインダイニングのラ・サラ(La Sala) に足を踏み入れた。湿度の高い、青臭い草いきれに包まれた外気から、隅々までよく冷やされた空間に身を置くと、期せずして肌が粟立った。ダイニングの中はお客の姿もまばらで、僕たちは眺めのいい席に通された。
タイに来てからローカルフードを好んで食べている。
今回も、白ワインをボトルで注文したほか、スタッフおすすめのタイ料理のコースを食べることにした。
各種薬味を青菜に包んで食べるアミューズ。
インドネシア料理のサテのような肉を、ナンプラーの風味を効かせたタレに漬けて食べる。女性スタッフがつきっきりでお世話をしてくれる。彼氏とは英語で冗談などを飛ばしている。ここしばらくの旅行では、英語は彼氏にお任せしきっている。やはり言葉が通じる人がいるとレストランスタッフの対応も格段に良くなるなあ。
スープ。
レストラン内がやや寒いので、温かいものがうれしい。
そして最後にトムヤンクン風味で煮込んだエビとご飯。地元では何という名前の料理なのか。本来ならばエビとスープは一緒に供されるのだけれど、僕がトムヤンクンが苦手かもしれないというリクエストを聞いてもらって、別々の皿に盛って出してもらった。スパイシーな味に満足して、僕もしっかり完食した。
テーブルの向こうでニコニコと笑っている彼氏の笑顔が一番のごちそうだと言ったら、きっと惚気すぎだろう。だけど、そのご機嫌な笑顔を眺めているのが大好きなのだ。
ラ・サラのすてきなもてなしを堪能した。
今夜の晩ご飯は、二人で5884.91THBだった。
建物の外に出たら、また、南国の熱気に包まれる。
レストランで冷やされた一眼レフのレンズが真っ白に曇ってしまう。
ヴィラに戻るとターンダウンが行われていた。
使用したタオルはすべて新しいものに取り替えられている。
スタッフから「おやすみなさい」のメッセージが葉っぱに書かれていた。
明日は晴れるらしい。
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