上高地帝国ホテル あずさ庵で鉄板焼きディナー 2016年上高地滞在記

穂高連峰に雲がかかってきた。
四方を山に囲まれ、夕日を遮られる山岳地帯は夜が早い。



17:00を過ぎるとビジターが追い出され、ステイ客のみの静かな空間が戻ってくる。
僕らが滞在した7月8日は上高地自体が閑散としていて、グリンデルワルトで談笑しているお客も少なかった。
それでもビジターが去った後のホテルはさらに静けさに包まれている。

上高地帝国ホテルの晩御飯も早い。
洋食のメインダイニングと和食のあずさ庵でのディナーは、17:30または19:30スタートの二部制となっている。
アラカルトのアルペンローゼは、たぶん予約などは必要ないのだろう。

上高地帝国ホテルの晩御飯といえば、メインダイニングでのフレンチのコース料理。
オルゴールの音色とともにドレスアップしたステイ客が招き入れられるあの光景。
映画「タイタニック」じゃないが、ちょっともったいぶった食事のスタートは賓客の心をくすぐる。

そんな光景とは逆方向の、あずさ庵に僕らはいた。
あずさ庵には、懐石料理を楽しんでいる人たちとは別に、鉄板焼きを楽しむ人たちのスペースがある。
2台の焼き場に、それぞれ最大8名ずつが着席できる。
相席はしないので、一日4組だけのプライベート感のあるディナーを楽しむことができる。
今夜は僕ら三人のために東京帝国ホテル「嘉門」から派遣されてきている若い料理人が腕をふるってくれた。



メニューは次の通り。
・前菜
・本日のお魚
・サラダ
・焼き野菜
・和牛サーロインステーキ または 和牛フィレステーキ
・白御飯、赤出汁、香の物
・デザート

食前酒は甘口の梅酒だった。
他に食事しながら冷酒を二合飲んだ。


本日の食材たち。
両親はフィレステーキ、僕はサーロインステーキを選んでいる。
野菜は地元で採れたもの。
白身の魚は鱸か鰆……どちらだったか忘れてしまった。
ここの食材は吉兆が揃えているというが、白身魚のクオリティは大変よかった。


前菜。醤油の味が梅酒の甘さと合わないので、冷酒を飲みながら摘む。


前菜を摘んでいる間に、目の前で魚を焼き始める。




エリンギとサヤインゲンが添えられた白身魚のソテーは、思いがけず洋風な仕上がりだった。
箸を入れるとホロホロと崩れる。
絶妙な焼き加減の魚にソースを絡めて口に運ぶと、思わず「美味いねぇ、美味いねぇ」と言葉が出る。

小鉢に盛り付けられたサラダをつつきながら、肉が焼きあがってゆく様子を眺める。
牛肉の脂から甘い香りが立ち上がり、冷酒の香りとあわさって鼻腔をくすぐる。




フィレステーキと季節の野菜。
ソースよりも塩でいただくと、より肉の旨みを楽しむことができると僕は思う。
味にパンチが欲しい時はフライドガーリックで食欲を刺激する。
ミディアムレアに焼かれたステーキは、両親共々笑顔になる。

御飯はガーリックライスに仕上げてもらった。



デザートはパンナコッタだったか、杏仁豆腐だったか……忘れてしまった。
プライベート感たっぷりの晩御飯を満喫した。

食事を終えて、白目を剥きながら¥65,000超の伝票にサインした(笑。
美味しい御飯は、なかなかいいお値段がする。

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