そう告げられて、ゴクリと喉を鳴らしていいものか、それとも飲んでいたワインを吹き出したらいいのかリアクションに困って、僕らは黙ってワインを嚥下した。すごいですねぇ〜とか、ウリやっていたんですか〜??とか、超絶テクニシャンですね!とホゲるには8000という数字が大きすぎて。先週、新宿二丁目のとある店のカウンターで、彼氏とワインをなめていた時の話。
売れっ子ウリセンボーイとして働きながら芸大に通う遥夜(はるや)。
同じ大学に通う中学からの親友、一志(かずし)に無自覚片想い中!
ビッチな自分の穢れた仕事は絶対にナイショ。
自分の気持ちを誤魔化しながらオシゴトに勤しんでいたのに、ある日、一志のとんでもない行動を目撃してしまい大混乱!!
悩んだ末、遥夜のとった行動は−−−。
ムッツリ芸大生×ウリセンボーイの純情(!?)ラブ (はーと)
腐女子というか、新宿二丁目に興味のある人たちの間で、ちょっと興味を引かれる話題のひとつはウリセンだろう。慰安婦と同じくらい長い歴史があって、陰間というと古すぎるが、男娼というとBL小説好きの姐さん達の間ではわりと知られているワード。10代から20代半ばまでの若い男性が、同性相手にカラダを売っているお仕事だ。
僕が二丁目に良く飲みに出ていた頃、ゲイバーの常連の数人にウリセンボーイがいた。フリーターの他、専門学校生、大学生たちで、昼間は学生、夜は男娼というギャップが萌えだった。売り物になるだけあって、モデル並みの整った顔立ちと引き締まった身体がよく目立っていた。
「純情ビッチ、ハツコイ系」では「穢れたお仕事」と表現されているけれど、僕らはウリセンを穢れた仕事と思ったことはなかったな。「爛れた性活」とは言ってたけどね。
ウリセンのお値段が消費税増税に伴って値上がりしたのかは知らないが、ナンバーワンともなると一日に3〜4人のお客を取る。店によって取り分は変わるそうだが、手取りどれくらいだろう……5、6万くらいにはなるか。月100万程度の収入があっても不思議じゃない。ごく一握りだそうだけど。大昔に聞いたナンバーワンウリセンボーイは、二丁目の近くにある有名なラブホテルに籠もりっきりで、身体を洗って髪を乾かしている暇もないほど客をとっていたとか。
ウリセン「スタードロップ」のナンバーワンボーイ「遥夜」は芸大生。
中学以来の親友の一志に片想いしている。
目覚めは中学(?)時代に一志の水着姿を見て勃起してしまったこと。
以来、届かぬ想いに悶々としながら、一志のヌードモデルをなっていたりする。
一志の方もまた中学時代から遥夜のことが気になっていた。
「なんてキレイな乳首の色なんだ…」というフェチな方面で。
そんな二人がいろいろあって、ハッピーエンド。
BLマンガの絵柄が変わってきたと何回か指摘してきたが、これはいい方向に(というか、好みの問題も含め)変わってきたパターンではないかと思う。「おわる」という名前はともかく、ぜんぜん終わっていない。Webマンガ出身だそうだが、上手に紙媒体へ適応したようだ。ボディラインの描き方、コマ割、画面全体が洗練され、美しい。
ストーリーは、低評価をつけるamazonレビューもあるが気にしなくていい。ありきたり、どこかで見たことがあるような作品、よいよい、だってこれは「BL幕の内弁当」みたいな作品だから。食べ慣れた素材が堅実な技術で盛り込まれている、しかも竹書房が発行元だからエロ度は推して知るべし。BL初心者には大変おいしい作品だと、むしろお薦めだ。
「オレ男はいっぱい食ってきたけれど…おまえだけだから
こんなに好きなの、おまえだけだから」
いや〜少女マンガっぽくて良いわ。
1.絵柄
うまい。文句なく。
確かにアニメっぽい、かわいい系ではあるが、脱げばエロイし、乳首もばっちりよ。
2.ストーリー
ウリセンボーイ遥夜とムッツリ大学生一志のカップルの他、消防士と保父、高校生同士のカップルの3本立てとその他番外編。ストーリーはありきたりだが、絵の見せ方が上手いから楽しめる。
3.エロ度
エロイ。目の肥えた腐女子の皆様もご満足いただけるものかと。
4.まとめ
いまどきの絵柄と、かなり熟達したデッサン力を使って、よくあるお話を書き上げた感じ。少女マンガを読んでいれば分かるように、特に学園もののラブストーリーなんかに目新しさはほとんどない。キャラクター造形と見せ方で勝負しているわけであって、BLも見せ方で勝負できるのであるならば奇矯なストーリーをひねり出す必要はないという好例。竹書房リリースだけあって、エロも適切、かつ刺激的。バランスのとれたお薦めの逸品。次回作も激しく期待する!
絵柄 :★★★★★
ストーリー:★★★★☆
エロ度 :★★★★☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)
良いサイトに辿り着きました!管理人さん、これからもよろしくお願い致します!
返信削除こちらこそ、よろしくお願いします。
削除楽しんでいって下さい。