BL漫画レビュー:神鏡智『アクマでも愛してくれる?』

しかしナンと言ったらいいのか…腐女子さまの世界ではモテモテのジャニ系も、ゲイ界隈ではそれほど需要がありませぬ。いや、たとえば背が高くて、赤西仁みたいな男だったら引く手数多でしょうけれど、ゲイ界隈のジャニ系はおしなべてマイクロサイズで、ガリガリに痩せてるヒト多数。おクチの悪いゲイからは「ガリキショのジャニは氏ね」とか言われて、やや迫害され気味。僕は嫌いではないが。
筋肉質~マッチョな男達が主流のモテ筋ですが、一方で根強い人気を誇るのが「デブ」。BLの世界とはほど遠い世界が展開されます。

カミングアウトします!
知り合いに誘われて、一度デブ専ナイトに潜入したことがあるんです。
はぁ~すごい世界だった。
そこは肉弾が飛び交うパレスチナ。トランスにあわせてゆうらり、ゆうらり揺れる贅肉から、意外に俊敏な動きを見せる堅太りな肉まで、とにかく! 肉だらけでした。
泣き崩れそうになりました。もう二度と行きません。

で、本日のお題。
神鏡智『アクマでも愛してくれる?』

恋すれば悪魔も臆病になる!?
日曜日の朝7時。お茶の間の話題を独占する、特撮戦隊シリーズ。主役ヒーローを演じる耀と、敵役の玲士…。互いの役柄さながらの、いじめまがいのSEXライフの行方は果たして!?

ふむ……不思議な作家。
まずストーリーがわけわかんない。
たとえばセリフを使って登場人物を互いに説明させるのは小説でよく使われる手法ですが、この作家セリフが多すぎ(苦笑)。高河 ゆんが登場した時、手抜きじゃないの?ってくらいスカスカの背景に衝撃を受けたものですが、神鏡作品の場合、コマの半分以上をセリフの吹き出しで埋められていて、余ったスペースに登場人物の顔があるという感じ。これはマンガというよりも、ドラマの脚本に挿入画がくっついていると言った方が良いのかも。

1.絵柄
いわゆるジャニ系。細身、セミロン、金髪、体脂肪10%未満のスジ筋、妙な手足の長さはモディリアーニ?とか言ったら誉めすぎ。腐女子の脳内にある肉体派青年の身体って、こんな感じなのかな?って思わせます。

2.ストーリー
全編「山なし、意味なし、落ちなし」。ストーリー性になんら期待を持っちゃいけません。身体を描くための添え物です。ある意味BL的には正しいのかもしれませんが。

3.エロ度
んー、 ウケの男の子は縛られたり、目隠しされたり、吊されたり、ボディピアスされていたり、乱交好きだったりと、なんというか「服を脱ぐと、ヒトってなにしてるかわかんないもんだよなー」という素朴な疑問というか、興味本位な部分をクローズアップしてるような気がします。1作品のうちSex描写が60%以上を占めている、やりっ放し作品。ポルノやね。

4.まとめ
デートの時でもそうですが、無理に喋り続ける(やたらに言葉が多い)人って自信のなさの裏返しって言うじゃないですか?これだけセリフが多いというのは、登場人物が自信を持って動けていない?(作品の趣旨として言葉責めというわけではないから)。それって作家の自信のなさが露呈しているんじゃないのかな?って感じてしまう。そしてこの作家は妙に乳首と性器の描写に執着しているようだし。そこに潜む深層心理はなんだろうと、妙な裏意味を読み取りたくなるのでした。

絵柄 :★★★☆☆
ストーリー:★☆☆☆☆
エロ度 :★★★★★
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)

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