「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展 に行ってきました!

雨。18.7℃/15.8℃/87%/657day/14320(+0)

雨の中、六本木の国立新美術館へ行ってきました。
本当なら秋晴れの気持ちの良い週末に、ブラブラと散歩がてら出かけたいものなんですが、来週末は実家の用事に巻き込まれる可能性が濃厚、再来週はテートブリテンでターナーの前に立っているはずなので、本日強行したわけです。


『「牛乳を注ぐ女」とオランダ風俗画展』というタイトルの展覧会は、悪天候もあって絵の掛かっている壁伝いに人が連なってる程度で、想定していたよりは空いていた。やっぱりフェルメールが来るとなると、天気が悪くても人が集まるんだね。

で、「牛乳を注ぐ女」ですが、やっぱりたいしたものでした。まるで写真のよう……というとアーティストに失礼になりますが、遠近法を厳密に適用した写真のような絵画でした。写真とちがう点をあげるならば、高性能カメラを使っても、ああいう色は出せないだろうということでしょう。
以前、僕は、写真では自分の思い描いている空をどうしても撮れないとこぼしたことがありました。そうしたら「無理だよ。あなたが言っているのは記憶色だから」とある人に言われました。記憶の中の色は、色の特徴的な部分が強調されているんだそうです。僕の中のそれは、カメラでいうとやや露出気味で、コントラストの強い色です。 だからフェルメールが描いた絵のモデルと場所を完璧に再現して、そこで写真を撮っても「こんなハズじゃなかったのに」と不満を言うんだと思います。その点、絵画は記憶色に基づいて描かれているのでしょうから、あまり違和感を感じないんだろう。

この展覧会は「風俗画」ってことになってるんですが、集められた絵の多くが台所を描いたもので、太めの女性が料理している生活臭溢れる不思議な空間でした。オランダ絵画は、暗い室内を描いたものが多く苦手。ヤンとか、ヤーコブとかいう名前の画家さんの展覧会は食わず嫌いで避けていたりします。今回もフェルメールをのぞくと、やっぱキビシかった。でも 「牛乳を注ぐ女」は窓から射し込む陽光が穏やかで、明るくて、僕は好きです。居並ぶ暗い絵のなかでひときわ耀いて見えたのです。

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