さてと、BL書評も第三弾。
書くことのテーマが決まっていると、これほど気がラクとは(苦笑)。
って書くことがなければ、書かなきゃいいのにって思うけどさぁ。
青樹 總(あおきそう) 『そんな君と僕だから』
まずタイトルからしてかなり恥ずかしいっす。(苦笑)
この作品はラブコメ系BLと言ったらよいのだろうか?うーむ。。。
短編6本をまとめて1冊にしています。最後の1編をのぞくと設定年齢が大学生以上。作家ご本人的にジャストミートなのは大学1~2年生位の男性のように思われます。
1.絵柄
ヘ タウマと言ったら良いでしょうか?いや、むしろヘタと言い切るべきか!?激しく狂うデッサンはある種独特の趣があり、慣れると気にならなくなります。だけどキャラの構図も微妙だよなぁ……。場面転換に妙な勢いがあるので、とりあえず読み進んでしまう。勢いを失うと苦しくなる、みたいな。
2.ストーリー
たまたま大学生が主人公の作品が3本含まれているからフォーカスすると、ゲイの大学デビューが一つテーマになっています。たまたま僕自身が生まれてこの方ずっと首都圏で生活していたので、「東京にはお仲間がいるんだ!」ってシチュエーションに憧れたことはないんだが、地方から上京してきた学生にとって都会は天国のように思えるのかもしれない。考えてみれば大学デビューというメリハリは自分にはなかったなぁ。
で、恒例のコンパがはねた後、ハッテン公 園へ出かけたら、そこで背中から男に抱かれていたのは知り合いの同級生だった!お仲間だって分かったりしても、いきなりタチネコまでは分かりたくないよなぁ。てか、いきなり掘られてる同級生は見たくないなぁ(苦笑)。Sexしている最中の相手に声をかけちゃあかんでしょうが。しかも本名呼びかよ…… (^^;; でもって、主人公が惚れた相手には彼氏がいて……みたいな。最後はネコやってた同級生が微妙にタチだし。わけわからん(汗)
実体験から言うと、タメと遭遇して「うおっ!」って驚くよりは、先輩とバッタリ会って「ひえぇぇ」ってな方がダメージ大きいと思う。まして先輩がウケだったりすると、タチの僕としてはどう接していいのか~って混乱しましたね(笑)。
エ ロばっか書いていても仕方ないので、学生生活を丁寧に追うのは割といい選択肢だと思う。しかし共学の大学で学生生活を描く以上、もう少し女の子の描き方に配慮しなきゃあかんでしょう。ゲイに理解があるんだかないんだが、それとも扱いがぞんざいなのか、女性キャラへの愛情のなさが気になります。
3.エロ度
この作品はね……ヘタウマなんだけど、妙にエロイんだな。
理由はあとがきで解き明かされる。「楽しくすね毛も書いてきました。そんな私ですが…イマイチまだ踏み込めない領域があります。それはワキ毛」ヽ(^-^)ノ
つーかだな、すね毛ってあまり描写しないものだと思うんですけど。
人間って服をはぎ取ってみると意外に毛に覆われているもんだなぁと感心するが、すね毛が濃いほど年齢を感じさせるというか、男性ホルモン過多?とか連想しま すねぇ。BLの世界では美少年ほど体毛率が低く、ヒヒジジィとでもなると体毛だらけというお約束があるようです。すね毛付の主人公の描写はある意味生活感 があってよろしいんですが、絵的には微妙じゃないでしょうか!?
てかさ、体毛なしっていうのはある意味セルロイドドールのように、生き物としての生々しさを削ぎ落とした物体になる。そこら辺が女性読者には受け入れられやすいんだと思う。だが、この作家は体毛を描くことであえて逆を行っているんですね。自分としては、なんてか、農家のおばちゃんの二の腕の白さに妙なエロスを発見してしまって (*゚0゚)ハッ!!としてしまった生々しさに通じるとまどいを感じますねぇ。
そのほかのエロイ理由としては、登場人物があまりSex慣れしていないところ。そのぎこちなさが遠い日の自分を思い出させるようで、妙なリアリティがある。
4.まとめ
うーむ、都会生活に憧れる高校生の妄想に火をつけなければいいが。
絵柄 :★☆☆☆☆
ストーリー:★★☆☆☆
エロ度 :★★★☆☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)