第三巻は、期待を大きく上回るエロティックな展開!
もっと舐めてほしいのに
「俺の体、黒瀬くんの匂いでいっぱいだ」
二人で外出中、黒瀬とのキスを想像して体を反応させてしまった城谷。
なぜこんなふうになってしまうのか自分でも分からないまま、熱い体をなだめてゆく黒瀬の手を止められない。
裏腹な心と体に翻弄される城谷は……?
無愛想なカウンセラーと
潔癖症の社長秘書、
堕ちてゆく二人の恋のセラピー。
ざっくり言って、
黒瀬(ドS)に溶かされる城谷(ドM)
城谷(ドM)に煽られる黒瀬(ドS)
二人は堕ちてゆく。
フェチとSMフレーバーを効かせた官能ボーイズラブ、って感じだろうか。
黒瀬くんの匂いでいっぱいだ……しかも匂いに煽られて勃起してしまう城谷を、あくまで言葉で雁字搦めに堕としてゆく黒瀬。潔癖症のくせに黒瀬には触られたい、恐ろしいけれど浸食されたい、たくさん舐めてほしいと心より先に体の方が堕ちてしまった城谷。しかし黒瀬に嫌われる、軽蔑されているんじゃないかと不安が、逆に発情を止められなくしてしまう。
一方で「好きだ」と先に気持ちを告げた黒瀬。城谷の防御を溶かそうとテクニックを弄しているくせに「もし俺も黒瀬くんのことが好きだって言ったら……どうなるんですか?」という城谷の言葉に黒瀬は煽られる。
「偉いですね、城谷さん」という褒め言葉に発情する城谷と、発情する城谷を見て襲いかかる黒瀬と。なんだろう、ものすごく官能的な場面が続く。確かにボーイズラブではあるのだけれど、潔癖症治療にかこつけた言葉責めに読者も登場人物たちも煽られているのだと思う。なかなか、すごい。
第三巻では黒瀬に腰をがっちりホールドされた中、城谷は全身に走る快感にぞくぞく震えながら「く 黒瀬くん……何で、何で、もっと、もっと舐めてほしいのに」と願う。そして上目遣いの黒瀬を見下ろしながら、口内に射精する。貪欲になる欲望が留められない城谷と、言葉で城谷を雁字搦めにしつつ、生殺しを強いられている黒瀬の欲望。エスカレートしてゆく官能のせめぎ合いが、テンカウント第3巻のテーマなんだと思う。
二人の接触をあらためてトレースしてみた。第一巻はなにもなし。第二巻で医院の待合室で黒瀬が城谷の素手を舐め回し、布越しに射精させられる。デートのあとに上半身を剥かれて乳首を舐め回され、二人で手コキしてぶっかけ。第三巻では濃厚フェラと口内射精+飲精と進行しているわけだ。しかも第三巻の終わりでは、どうやら城谷はアナルプラグを挿入されるらしい。黒瀬より先にプラグに体を開く城谷はどうなる!?
ちなみに、城谷がクリアしなければならない10の課題っていったい何だったのだろうか?読み直してみると、次の9項目+1だった。
1.ドアノブに触る (1巻目でクリア)
2.自分の私物に他人が触る (1巻目でクリア)
3.本屋で本を買う (1巻目でクリア)
4.電車のつり革を持つ (1巻目でクリア)
5.飲食店で食事をする (2巻目でクリア)
6.素手で人と握手をする (1巻目でクリア)
7.他人の私物を消毒せずに持ち歩く (2巻目でクリア)
8.飲み物のまわし飲み (1巻目でクリア?)
9.部屋に他人が入る (3巻目でクリア)
10.
1.絵柄
安定の宝井スタイル。乳首のトーンにこだわっているという宝井理人の姿勢を、全力で支持したいところ。
2.ストーリー
第三巻はなんというか、潔癖症治療よりもエロが先行という印象。デートしたり、病人を看病したりとか、わりと普通のカップルっぽい感じも増えてきた。
読み返すと、この二人は第2巻で「城谷さん、俺に依存してくれますか?」「……はい」とか言ってる。もはや共依存状態になっている二人が堕ちるところまで堕ちてゆくさまを見届けたい。
3.エロ度
今回は口内射精とディープキス未遂、そしてプラグ挿入のためにアナルを弄られたりとかなりイイ感じにエスカレート中。言葉責めが得意な年下カウンセラーに体を開きつつ、無意識にSの攻めを煽っている城谷がすてきだ。
4.まとめ
第1巻はマスク姿、第2巻はセミヌード、第3巻は城谷が口を開き舌で黒瀬の指を舐めているデザイン。第2巻でセミヌードだったので、第3巻目は全裸を期待していたけれど拍子抜けした。代わりに城谷の口からなにかが流れ出している。それは過去のトラウマなのか、黒瀬への想いなのか??展開が見逃せないシリーズ。全力でオススメ。
絵柄 :★★★★★
ストーリー:★★★★★
エロ度 :★★★★☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)
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