BL漫画レビュー:おげれつたなか『恋とはバカであることだ』

御機嫌よう。
真夏の午後、皆様いかがお過ごしでしょうか。
僕は避暑地の休暇を楽しんで参りました……なわきゃなく、田舎で端女のようにこき使われていた日々でした。Webの更新もままならなく。

さて、先日のご質問記事にも登場したような、イマドキなBLを取り上げてみる。

バカな子ほどカワイイ。
32歳、童貞処女にして初めて恋人できました(ハート)
大学生の彼氏はカワイイんだけど、
外でキスをねだってきたり、とってもグイグイくる。
もしかして俺のこと"慣れてる"って勘違いしてる?
これは、ちょっと、いやかなりまずいぞ…?
ガツガツ系わんこ×ビビリ系カフェ店員の表題作、ほか
高校生のバカなくらい真剣で切ない恋をお届け!

中身は3カップルのお話。
表題作の「恋とはバカであることだ」がメインで、あとは「泣けないうそつき」がまあまあという感じ。

表題作は元カノか7、8人いたというリア充大学生佐山くんと、恋愛経験どころかセックスも未経験の32歳カフェ店員真木さんのお話。経験不足を相手に告げられない状況で年上がワタワタするという……ん?「きょうは会社休みます。」のBLバージョンか!!! こういうパターンの話は、痛い年上を追い続けなくちゃならなくて、読者の心が「痛い」のだよ、ほんとうに。

というか、僕が引っかかったのはこれだ。


「佐山の顔はジャニ系でモロタイプだし。俺年下好きだし」

あるあるある、ジャニ系の年下好き若専オヤジ。
だがしかし。
ジャニ系とはなんぞ?

このジャニ系という定義こそ、新宿二丁目で一晩語り合えるほどのネタである。知り合いから「今度ジャニ系の友だち紹介するから!」と連絡をもらってドキドキしながらニチョに来る。「お待たせ!」と現れるワカモノに、どんな期待を持てるだろうか!?

やべえ……リーダーやった。。。。。
櫻井かぁ……やや微妙……。

山田涼介クン!? 大当たり!!
手越? これはあぶねー物件か??

などなどなど。
そもそもジャニタレの幅が広すぎて、どちらのジャニーズなのかで天国と地獄。
二丁目でジャニ系と言ったらスリムな体型で、身長は小柄、きれいめファッションで、なぜか喫煙率の高い10代から20代中盤までの男性くらいの共通項しかない。180cm越えのジャニ系とかあまり聞いたことがない。ひどいパターンになると「口元だけ松潤」とか、輪郭だけ櫻井翔とか。。。

ジャニ系大学生を紹介するよって機会があったら、自分的には「ジャニ系じゃなくて、堀北さんね」という物件に遭遇してみたい。


「ジャニ系じゃないよね?」
「……シンプルにごめん」
「……じゃなくて、キミは堀北真希さん系」

イマドキの大学生が「……シンプルにごめん」なんて言うのか知らないけれど、響きはちょっと良い感じがする。

1.絵柄
イマドキなんだと思う。赤面したときの表現が特徴的な作家。
口元にも特徴があって、なんか「生っぽい」…上手く表現しづらいのだが。

2.ストーリー
「恋とはバカであることだ」については、新しいひねりはなくて、どこかで見たことのある話だなあという感じ。僕自体、経験不足の人がワタワタするコメディがあまり好きじゃない。「いやいや、付き合う前にセックスとかおかしいだろ」「オレらそういうもんでしょ~」ってセリフだけ、妙にリアル。
「泣けないうそつき」は、恋愛観の狭い主人公高校生が惚れた相手は、美形だったがワケありの過去ありで……という話。こちらも目新しさは全くないのだけど、美形瀬川くんの一途さは高く評価したい。

3.エロ度
これが微妙で、このコミックスは70ページが描き下ろし。初出を見ると、それぞれ2話構成のうち2話目が描き下ろしになっていた。連載中はほとんどエロなし??よく読者は納得したもんだなっ!? 描き下ろしに含まれるエロは3倍増は必要かと。

4.まとめ
うーむ、もっと精進が必要。ツッコミが足らない、いろいろと。
あとペンネームなんとかならないか?「『おげれつたなか』探しているんですけど」と訊きにくい。Amazon専売になっちゃうぞ。

絵柄 :★★★☆☆
ストーリー:★★☆☆☆
エロ度 :★★☆☆☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)

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