2013年バンコク紀行 (3)

今回のバンコク滞在は、観光なしという乱暴な旅行だった。

いや、ローズガーデンくらい行っておけば良かったような気もしていたけれど、結局いいアイディアが出なかった。そんなわけでチャオプラヤ川でボートに乗らず、罰当たりなことに寺院参拝もせず。グダグダと街をうろつき、マッサージで凝ったカラダを解してもらっていた。

そんなグダグダな旅行で、バンコクで生活している彼氏の同僚さんと食事するのが、唯一イベントらしいイベントだった。スラサック駅からスカイトレインに乗り、サイアムで乗り換えて数駅。彼女の指定した駅は日本人が多く住む街にあるそうで、プラットホームに降り立つとやたら日本語の看板が目に付いた。

僕が彼女にお目に掛かるのは半年ぶりくらいになるのか。じっとりと湿気を含んだバンコクの大気の中に立つ色白の彼女の姿が、不思議と非現実的な感じがした。この方は、にっこりと微笑んだ写真が雑誌エアステージに掲載されていても不思議でないような美人CAさん。しかも仕事を持っている女性特有のパワフルさは、彼氏も一目置いている。

せっかくバンコクにいるのだから、おいしいローカルフードが食べたいという僕らのリクエストに、駐在員妻たちの口コミをリサーチして案内してくれた店は、駅から数分歩いた住宅街の一角にあった。GEDHAWA THAI RESTAURANT はタイ北部の料理を提供している。帰国してからトリップアドバイザーで調べたら高評価の人気店だった。日本で言えば住宅街にあるこぢんまりとした隠れた名店というヤツだと思う。

何皿かオーダーを出したあと、まずはビールで乾杯。この暑い国では、辛い食べ物とシンハービールがとても良くあう。その喉ごしを楽しんでいるうちに、料理が次々と運ばれてくる。彼女が言うには、タイにしてはスモールポーションだという。他の店ではもっとたっぷりと盛られてくるのだそうだ。日本のタイ料理屋のボリュームとあまり変わらないなあというのが僕の感想。味はとても繊細、そして深みを感じて美味かった。

彼氏と彼女の話を、僕は飽かずに耳を傾ける。僕の知らない異国での生活、特殊な仕事場の四方山話、彼女のお子さんの話…それは、僕にはアラビアンナイトのおとぎ話が語られているような非現実感がありながら、一方で目の前にいる二人が実際に経験してきた事実でもあって……グラスの中を泳ぐビールの泡のように頼りなく、でも現実だった。マシンガントークに耳に傾けながら、バンコク時間はゆっくりと流れて行く。

GEDHAWA THAI RESTAURANT は本当にオススメのレストラン。




















あらためて写真を見直すと、めちゃめちゃ美味しそうに撮れているじゃないか。

2 件のコメント:

  1.  料理の写真、なんか今までと感じが違うなあと思いました!
     うん、すごくおいしそうです。タイ料理、たべたくなりましたよー。

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    1. こんにちは、コガさん (^^)/

      実はカメラもレンズもいつもと同じヤツなんです。
      あの日、曇り空とはいえ昼間のバンコクの屋外は明るく、店内はやや薄暗い。
      薄暗い中だと妙にキレイに撮れるカメラなんです。
      外で撮影するときは、もっと光量を絞れば良いんですが、下手くそで(苦笑

      これから暑くなる夏には、タイ料理もオススメですよー!

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