小瓶のワインを買って。

曇り。16.6℃/8.6℃/53%

仕事を終えて、ちょっとワインを飲みたくなった。
グラス一杯で良いんだけど。

ふらっと新宿二丁目のバーに出かけてもよいのだけど、明日は大きい仕事が入っているしで、途中の7-11で小瓶のワインとおつまみ買って帰宅。安いわぁ~、二つあわせて400円しないなんて。ゲイバーだって400円じゃコーヒーも飲めないと思う。

ワインをコップに注いでコップ酒。
テレビじゃ上戸彩が"テルマエロマエ"の宣伝をやってる。

去年の夏。ローマ。カンピドリオの丘のふもと。
陽が傾きはじめたヴェネツィア広場で、僕たちはヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂の前にたたずんでいた。サンタ・マリア・イン・コスメディン教会の拝観時間を過ぎ、地下鉄で移動するにしても、コロッセオ駅まではずいぶん歩かねばならなかった。この時間から行ける場所は……カラカラ浴場くらいか。
オレンジ色に染まりはじめたローマの松を見ながら、しばらく思案して、僕たちは白いメルツェデスのタクシーに乗り込んだ。行き先はカラカラ浴場……彼氏が「テルマエ・カラカラ!」と告げると、タクシーは石畳上を猛スピードで走り出す。あのときの彼氏はえらく男前だったな。(^^

ひとけのないカラカラ浴場。
巨大な壁の遺構を前に、僕たちはベンチに座り込んでいたっけ。
もう急ぐ必要もないし、足は疲れてパンパンに張っていたし。

夕日に照らされてオレンジ色に染め上げられたこの壁は、2000年近くもこうやって、夕日を見送り、夜空を迎えてきたんだろうと想像したら、ふわっと宙に浮くような気持ちがした。だまって巨大な壁と、わずかに残ったモザイクを眺める。陽が陰って、少し力の抜けた空の下、僕たちはただ時間が過ぎて行くのに身を任せていた。

進むことも、退くこともできない宙ぶらりんの状態。そして、ただ流れに身を委ねて、異国で彼氏と隣り合わせに座っている安心感と切なさに浸っている。
これが幸せなんだろう。

最近、イタリア旅行のことをよく思い出す。
南イタリアのソレントはたいそう楽しかったけれど、ローマもまた格別の良さがあったように思う。もしチャンスがあるなら、またローマを訪れたい。


ごめん。 のろけたよ。

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