今宵、吉牛のカウンターで。

晴れ→雨。22.5℃/19.0℃/59%/791day/8100(+160)

3.5日間詰めていた東京ビッグサイトでの仕事を終えた 足で、フラフラになってオフィスに戻った金曜日の夜。数日空けていたデスクの上には未決書類と郵便物が山になっていて、未読メールを確認すると伝言がいくつも残っていた。スタッフの姿もまばらなオフィスで、ノロノロと最低限の仕事を片付ける。疲れがため息になって、空調の切れた蒸し暑いオフィスを漂っていく。

帰りのエレベーターの中で、空きっ腹に気づいた。
時刻は22:00をまわっていて、とりあえず道沿いの吉牛で牛丼をかっ込む。
夜更けの吉牛には、不思議な漢気が満ちていると思う。仕事途中のトラック運転手とか、工事現場のおっちゃんとか、マンガを読みながらお茶をすすっているサラ リーマンとか。その姿を見ていると、声にならないけれど、ささやかなプライドとか、いたわりとか、仲間意識とか、そんな感情が飛び交っているような気がする。なんてか、漢の矜持ってヤツが伝わってくるような気がするんだよ。

って、僕はイベント終了日の夜にどういうわけだか吉牛に立ち寄ってることが多い。もちろん「肉食いてぇ~」って欲求もあるんだろうけど、あの空気に静かに浸っていたいという気分もあるんだと思う。


この3日間、朝、昼はホットドックを慌ただしくお茶で流し込んだだけ。
夜はコンビニのおにぎりをかじって過ごした。

つゆだくのご飯を咀嚼しながら思い返す。
この3日間、よく働いたなぁって。朝8時に現場に着いて、9:30に集合するスタッフに先駆けて準備開始していたし……でも人気もまばらなブースのあいだを散歩するのは好きなんだ。ここに人間が満ちてくる光景を想像するのは楽しい。

そ して本番開始。外注スタッフに「一人で現場廻しているくらいの勢いですね」と言われるくらい、立ちっぱなし、声出しっぱなし、メシも食わずに現場にかじり付いていたよ。ご飯のときも、ホットドックを食うために10分間イスに腰掛けただけだった。その姿を呆れて見ていた売店のおばちゃんが「これはあたしのおごりだよ」って売り物のコーヒーをくれたくらい。そんだけ必死だったんだね。

いまは少しだけ、自分を褒めてやってもいいのかな?

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