王宮とエメラルド寺院 (タイ・シンガポール旅行記)

ターチャーンの船着場に降り立つと、川の水が床上まであがっている。幅の狭い木の板で作られた通路があって、乗降客たちは天井の柱に頭をぶつけないように首をすくめて歩く。チャプチャプと水に洗われているその木道は、ヴェネッツィアのアクアアルタを連想させる。

船着き場の前にそそり立っている白い壁は、王宮をぐるっと囲んでいて、外からは宙に突きだした尖塔が見えるばかり。しかも王宮見学の入り口は、塀に沿ってかなり歩かなければならない。チャオプラヤー川に沿って歩道が続いている。蚤の市かなにか、歩道には衣料品から古ぼけたレコード、けばけばしい色の飲料水などを売る人々がうずくまっている。垢じみていてあまり清潔な感じはしない。

王宮見学にはドレスコードがあって、例えば短パンだと入場を断られる。だが、無料でズボンを借りることができる。それは王宮の門をくぐった中の事務所で貸し出されている。門の外で声をかけてくる男たちは無関係だから注意が必要だ。












黄金と宝飾品で飾り付けられた王宮は、見る者を圧倒する。
エメラルドの仏像の前には、観光客よりもはるかに多くの現地タイ人たちが祈りを捧げていた。
それにしてもタイの寺院、王宮はどれも背の高い仏塔(チューディー)があって、写真に納めるのはちょっと苦労する。

見学を終えた僕たちはすっかり疲れてしまい、ホテルに戻るためバンコクで初めてタクシーに乗った。タクシーが便利で安いことを知ってしまった僕らは、それからは結構タクシーを使った。あの暑さと湿度の高い大気は、旅行者から気力と体力を奪ってゆく。ホテルでアフタヌーンティして、一休みする。

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