雨。今日は休日出勤した。
僕は音だけで情景を想像して楽しむというクセがある。
それは、中庭の障子の向こうでざわめいている笹ずれの音だったり、カーテン越しに伝わってくる自転車を漕ぐ音だったりする。
今日は最寄り駅、プラットフォームの一番前に立って"神の火"を読んでいた。
背中越しに響いてくるのは、歩幅は短く、弾むような足取り、ポッコポッコという音。"あ~子供だな。長靴を履いてるのかな?"と想像しながら活字を追った。島田と江口が邂逅する場面だ。
そ のうち「おい!どこまで行くんだ?」と男性の声がする。ほとんど確信を持って振り向くと初老の男性に連れられた、長靴を履いた3~4歳の男の子がいた。男 性はちょび髭を生やしたアニマル浜口って感じの人。サラリーマンとは違う世界で生きてきたという感じの方だ。なんか無骨そうだけど孫?と電車を待つ姿は楽しそうだ。「にもつ電車くるのかな?」子供のやわらかい声がする。
僕は文庫本を閉じて、ふたりの会話に耳を傾けた。
どうやらTDLへ行くのではなくて、彼はとにかく孫と電車に乗りに来たのだ。その証拠に東京駅に着くとふたりで下りホームへ歩いていった。
自分も遠い昔父親に連れられて山手線一周したり、今は甥っ子が遊びに来たときは小さな靴を履かせて東京駅まで"こまち"を見に行く。これが結構楽しい。
まあ自分の子供と電車を乗り継ぐことはなさそうなんだけどね(苦笑)。
3月甥が遊びに来たときはロマンスカーにでも乗せてやることにしよう。
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