明日からGW連休後半に突入する水曜の夜。
僕は銀座のゲイバーでTOKIO謝罪会見の映像を眺めていた。
そのあと、大型モニターにドラマ「同窓会」第一話が流れ、30年前にタイムスリップしたような気分になった。
ゲイの世界には「○○専」という言葉がある。
その一つに「ジャニ専」があるんだが、「イカホモ」と呼ばれている所謂「アレ」な人たちがモテ筋の世界で、ジャニ専はややマイノリティな位置づけだ。なんていうか野郎的容姿のイカホモに比べ、中性的なスリムな体系の若者はそれほど需要がないと言われる。
ジャニーズ系と言ってもその定義は結構あいまいだ。しかし、僕の中ではゲイ的な意味でジャニーズ系と言ったら、ドラマ同窓会当時の山口達也のルックスに固定されてしまっている。だから、二丁目で「あの子ジャニ系じゃない?」と耳打ちされても、僕にとってほとんどの場合は「違うと思う」になる。そしてほかのゲイから見たら、たぶん山口達也はジャニ系ではないだろう。かわいい、美しい、イケてる子とは言われるのだろうが。
そんなわけで、僕は山口達也に少なからず思い入れがある。
僕の中でイコンになっている山口達也が、未成年者と過ちを犯したという。
メディアに出ている事以上があったのかもしれないし、彼はもっともっと悪い奴なのかもしれないけれど、こんな騒ぎになるほどの事件なのだろうか?と僕は思っている。
法的な問題、道義的な問題は、当事者間できちんと彼の間違いを認定し、しかるべき謝罪と償いを行う…………それ以外になにかやることはあるのだろうか?
TOKIOの会見の中で福島県について「こういうようなかたちで裏切るような、ことになってしまったことが申し訳ない気持ちでいっぱいですし、こういう質問が出てしまうことに対しても申し訳なく思っている」というコメントがあったけれど、まあスポンサーには迷惑が掛かっているけれど、多くの人にとっては「ああ、そういう事件があったんだね」という程度の話ではないかと思うのだ。TVに登場する人たちに僕らは「潔癖ななにか」を求めていただろうか?大麻で何度も捕まった俳優や歌手がシレっと戻ってこれる場所だ。そこがどれだけ「清潔」だと思えるのだろう?
今回だって山口達也というタレント一人にすべての責任をかぶせて終わりにしようとしているが、監督責任と言ったら事務所社長、マネージャーにも責任はあるはずだし、「Rの法則」の制作会社NHKが出演者の管理をどのようにしていたのか説明する責任があるはずだ。出演者に間違いがないように、NHKがしっかり管理する必要があったのではないかと僕は思うが、メディアはそこらへん黙っているね。
一人の男の過ちがそこここでハレーションを起こしてる。
僕を含め当事者ではない、彼を裁く立場にない者が勝手な感想をまき散らし、「世間」を騒がしている。本来世間の片隅で吐き捨てられて終わりのはずの「あまりよくない発言」がTwitterなどで繰り返しリツイートされ、TVをつければ「来年はお前が不倫騒動を起こしてるんじゃないの?」みたいな司会者やタレントがしたり顔でポジショントークを垂れ流している。実に不毛、僕らは汚れた世界に首まで浸かってしまっていると思う。ブログにこんな記事を書いている僕も、そんなゲスのうちの一人だ。
会見を聞いていて、松岡と長瀬は正論かもしれないけれど、ちょっとなと思った。
リーダーと国分の揺れる気持ちの方が、僕には共感できる部分があったように思う。
芸能人として、TOKIOメンバーとしての居場所を山口達也は失ったのだろう。
だけど30年付き合った友達、身近にいた人間として、過ちを犯した一人の男の行く末を見守ってやろうという胆力が、僕はあっても良かったんじゃないかと思ったよ。
すべてを失った男に居場所を与えてくれるのは案外福島の人たちかもしれない。
そんなことを考えていたよ。
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