飛田新地は異空間だった……

いま大阪の天王寺に滞在しております。
お恥ずかしいことに私、かなり品性下劣なオカマでございまして、ホテルからちょっと歩いたその先に、最後の色街の一つといわれる飛田新地があると聞いて、私、俄然わき上がる好奇心を止めることができなかったのでございます。

18:00を過ぎて、天王寺の街が宵闇に包まれた頃に私はホテルを出ました。
iPhoneのマップに導かれ、あべのキューズモールを抜け、薄暗い高層住宅の間、寂れたあべのポンテ、あべのマルシェを横目に進んでゆくと、寂れたアーケード街がありました。なんだか治安の悪そうな空気にやや腰が引けます。大音量のジャズを流しているカフェ(?)の角を曲がるとゴール。かの有名な「飛田新地料理組合」の先に、お伽の町は姿を現したのでございます。殿方たちの噂通り、やり手ババアの軽妙な呼び込みと、確かに噂通りレベルの高い嬢たちが店先で手を振る異空間が其処に広がっておりました。


飛田新地の写真を撮ると、その筋の人たちが飛び出してくるそうなので、マンション近くの高台から1枚写真を撮らせていただきました。そして、エロオーラを垂れ流しながら嬢の品定めに熱中する殿方の群れに身を投じたのでございます。

お兄ちゃん!お兄ちゃん!ちょっと見たってや〜
お兄ちゃん、お兄ちゃん、ちょっとだけ、近くで見たげてよ~、戻って~
お帰り!お兄ちゃん!ほんまええ子やからこの子にしいや〜

位の呼び込みはまあ普通で、「お兄ちゃん!お兄ちゃん!あんたにはこの子で決まりやっ!」と人差し指でビシッと指さされると、悪いけれど吹き出してしまったのでございました。
申し訳ないが、私、完全に冷やかしで、ひたすら嬢の品定めをしながら歩き回っていたので、あるやり手ババアに「お兄ちゃん!!あんた5周目やろ!もういい加減決めえや!!」と怒鳴られて、苦笑いするしかありませんでした。このババアは本当に数えていたのか、それともてきとーな事を言っていただけなのでしょうか……謎です。

通称青春通りから妖怪通りまで徘徊していたのでございますが、さすがに妖怪通りの嬢は「こんな女とセックスさせられるくらいならカネくれよ!」と怒鳴りたくなるような、超熟女から、むっちりデブ嬢がM字開脚で秋波を送ってくるわけでございまして、背筋にひんやりとするものを感じながらその場を離れたりもいたしました。

オカマ生活も30年を超えた古ガマの目で観察していたわけでございますが、ミスコリア系の容姿に巨乳の嬢が多く見受けられました。嬢のレベルはいずれもかなり高いようです。あちらこちらでタイマーのアラームが聞こえてきますが、これが「予定時間終了」の合図のようです。
そして、私の目でも「湘南」という店の嬢はレベルが高いと思いましたが、その筋のランキングでも1位だそうで、私もなかなか見る目があるじゃございませんかと独りガッツポーズ。ではオカマの私にも好みの顔の嬢は存在するのかと俄然興味が湧き、青春通り、メイン通りを中心にくまなく徘徊致したのでございます。「もういい加減決めえや!!」とババアたちに怒られながら、ついに某店の店頭に座る嬢のルックスはタイプだなーと立ち止まってみたのです。「そうか、お兄ちゃん、決めたかっ!」と上機嫌なやり手ババア。

だがしかし、その時我が珍子は微動すらせず、やっぱりあかんわぁ〜。ババアの罵声を浴びながら店先から逃げ出す私。種の繁栄に貢献できないオカマの悲しみに包まれたのでありました。

飛田新地 SUGEE〜!
Japanese Dream!
ここで俺の夢をかなえるぞー!

とのんきに雄叫びをあげる男子たちを横目に、私は飛田新地を後にしたのでありました。

0 件のコメント:

コメントを投稿