日本人は不幸だと思う。

朝鮮半島有事が囁かれているご時世に、こんな社説しか書けないメディアばかりが目につく日本は本当に不幸だと思う。
たぶん共同通信の社説テンプレを流用したものだろう。
似たような社説を他紙でも目にする。

今回の大使帰任を、一般国民の方は有事の邦人保護が目的であろうと考えているのに、未だに慰安婦像をめぐる日韓の葛藤という見立てでしか語れないメディアは読者から見限られても仕方がないと思う。韓国への渡航自粛を提言したほうが良いんじゃないかと国民が考え始めているところに、「展開次第では反日、嫌韓の国民感情が高まりかねない」って……危機感なさすぎだろ。

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駐韓大使帰任 関係立て直しに全力を

 振り上げた拳を下ろすのは難しい―。政府はつくづく感じているのではないか。

 韓国への抗議のために一時帰国していた駐韓大使がソウルに帰任した。慰安婦の被害を象徴する少女像の問題解決が進展しないままの対抗措置の解除である。

 韓国では5月に大統領選が行われる。大使を日本にとどめておくときではない。帰任は当然だ。次期政権の発足を見据え、対韓外交を立て直さなくてはならない。

 大使を一時帰国させたのは1月9日だ。2015年末の日韓合意は、ソウルの日本大使館前の少女像について韓国が「適切に解決されるよう努力する」ことを確認していた。その後も解決に向かわないばかりか、釜山の日本総領事館前にも設置されたためだ。

 弾劾訴追で朴槿恵大統領が職務停止中のことである。もともと効果は望みにくかった。一時帰国の期間について政府は「状況を総合的に判断して対応したい」としていた。落としどころを見定めずに踏み切ったのではないか。当時の判断に疑問を抱かせる。

 帰任を決めた理由について岸田文雄外相は▽韓国が政権移行期にある中で情報収集に一層力を入れ次期政権の誕生に備える必要がある▽北朝鮮問題に対処する上で緊密な情報交換を行い、連携を図る必要がある―などとしている。いずれも異存はない。

 大使は帰任後、日韓合意の順守を次期政権に引き継ぐよう大統領代行に求める。大統領選の最有力候補とされる最大野党「共に民主党」の文在寅前代表との接触も模索する方向という。

 対日強硬派と目される文氏は日韓合意そのものの見直しを主張している。文氏だけではない。韓国では朴政権の政策を否定する風潮が強く、朴氏が所属する保守政党の候補も合意を批判している。日本にとって厳しい状況だ。

 展開次第では反日、嫌韓の国民感情が高まりかねない。日韓合意を維持できるよう日本の考え方を伝え、韓国に粘り強く履行を求めていく必要がある。

 韓国軍などは、北朝鮮についていつでも6回目の核実験が可能だと指摘している。威力を格段に高めた弾頭の爆発実験など、これまでとは違う形で行う可能性も取り沙汰される。北朝鮮側は事実上の長距離弾道ミサイルを発射する方針も示唆している。

 日韓が対立するようでは、北朝鮮に付け入る隙を与える。韓国と冷静に話し合える関係づくりを急がなくてはならない。

(4月5日)

信濃毎日新聞
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170405/KT170404ETI090006000.php

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