台湾に出かけていて、しばらく留守にしていました。
今回はノートPCを携帯せず、ネットはiPadのみだったのでお返事が遅れました。
コメント、いろいろとありがとうございます。
BL進化論にご興味のある方が増えているみたいでうれしいですね。
で、コメントを拝見して2点私見を書かせてもらいますね。
>>年の差カップルとか、社長と秘書ネタでも、立派な面構えの男が出てこなくなったのは、最近の傾向のような気がします。
アラブものだとかはまた違うのかも>> こういうことをさらりといってくれてしまう男性のかたが居るということに驚きと喜びを隠せないでいますw
これはBLに限ったことではなく、少女マンガ全般に発生している事象だと思います。主人公の両親の描写が異常に若いこと、これは現代日本が死と老化を隠蔽する傾向が強まっている影響ではないかと僕は考えています。TV見ていてもアンチエイジングのシワ取りCMとか盛んでしょう?「馬面」=青年以降の男性の表現が後退し、若干の髭、輪郭の描写、服装の違いで表現するようになったのも、そこら辺が原因ではないかと。
>田亀先生は書こうと思えば「ホモ漫画の恋愛」も描ける方だと思いますが。
>「ホントはホモ漫画できゅんきゅんする恋愛読みたいんだよね」っていう
>ゲイの方もいると思います。
>自らで自虐っぽくしてるというか、日陰の身になりすぎて、商業的にイマイチ
>広げられなかったのが「ホモ漫画」であるのではないかなと。
これなんですが、実は評論家含めてあまり整理されていない分野なんですよ。
下手打つとゲイリブ方面からめんどくさいツッコミが来るので。
台北滞在中に少し整理したので語ってみましょうか。
そもそも「ホモ漫画」ってなにか?を最初に定義する必要があります。
僕の記事においても、ホモ漫画については「(主に)ゲイ作家が描く、主要な登場人物がゲイの作品で、(ほとんどの場合)ゲイが読む」程度しか定義していません。だけど、例えばよしながふみの「きのう何食べた」をホモ漫画と言えるか?というと、料理漫画に近い。ゲイ医学生ばかり登場する「動物のお医者さん」があったとしたら、それは獣医漫画になるでしょう。「聲の形」「銀の匙」「神の雫」「のだめカンタービレ」等々のモチーフをホモ漫画でリメイクしたら、それはそれぞれのジャンルに収束すると思うのです。
だから、結果として「ホモ漫画」が「性愛」をテーマにしたものばかりになってしまっているのには、2つの理由があると思うのです。一つは掲載媒体の制約。もう一つは私見ではありますが、「ゲイ」ということが「性愛」方面を除くと実は一般のノンケさんたちと大きな差異がないという事です。ゲイがまったく別の星の生命体というわけでもないですし。その結果、「ゲイが登場する作品」という大きな括りで考えると、それぞれの作品はモチーフ毎の作品群に吸収されるし、フォーカスを絞った「ホモ漫画」と言うと、現在は「性愛」をテーマにしたものになってしまう。
で、ここに女性作家が活躍するボーイズラブが登場するわけです。ボーイズラブの登場人物たちをゲイ、またはそれに近い人とすると、ボーイズラブ作品は「性と愛を取り扱うホモ漫画のうち、恋愛に重きを置く作品群」となり、対してホモ漫画は「性愛に重きを置く作品群」になる。ボーイズラブの成り立ちとかを全て取っ払うと、ボーイズラブとはホモ漫画のうちテーマを絞り込んだ作品群なのではないかと思います。
少女漫画に源流をもつ作家と読者たちは、繊細な心理描写を創作し、読解することに慣れている。残念ですが、この分野において男性はホモ漫画家、読者ともに圧倒的に遅れていると思います。男性が少女漫画を読解するのは結構大変らしいですよ。僕の知ってる範囲ではボーイズラブを読むゲイは少数ですし、一般的に腐男子と呼ばれる人たちは少女漫画からの流入組です。だから、現在はクオリティの高いボーイズラブがホモマンガを圧倒し、あるいは駆逐している状況ではないかと。
というわけで、絵柄はともかく「ホントはホモ漫画できゅんきゅんする恋愛読みたいんだよね」となると、今のところボーイズラブの中から選んで読むしかないというのが現状ではないかと思います。
まずはこんな感じで。
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