夏は残り45回

激しい雨が続いた梅雨が今週明けて、暑苦しいヤツがやってきた。
肌にまとわりつく蒸し暑さは本当にうんざりなのだけど。

朝、駅までの7分間、関空から欧州に向かう彼氏と話しながら歩いた。
家を出て、街路樹の陰を伝いながら移動するけれど、すぐに汗ばんでくる。
僕は、暑い、暑いと連呼しながら歩く。

梅雨明けの空を見上げて、ふと、夏はあと45回なんだなあと呟いた。

十歳の子供にとって、45回目の夏は高校生か、大学生の子供を育てている頃だろう。
二十歳の夏を迎える人は、45回目の夏は、定年退職後初の夏かもしれない。
今年三十歳で夏を見上げている人は、45回目の夏は、連れ合いを亡くした静かな季節かもしれないね。

そして僕にとっての45回目の夏は、たぶん、この世で迎えることはないんだろう。
どんな楽観的に考えても、最後の2回は、ガラス窓の向こうから、手を振っている夏をベッドの上から眺めているような気がする。

そんなことをつらつら考えていたら、今年の夏が特別に感じた。
みんな、身体が自由なうちに、夏と遊びに行ってこい。

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