BL漫画レビュー:大槻ミゥ『愛しいカラダ』

たぶん、絵柄のわりにコアな読者を抱えているにちがいない、大槻ミゥ作品から。

仕事も出来て、女子にもモテる
イケメンリーマンの直史(なおふみ)には、重大な秘密がある…
それは、体毛が異常に薄いこと。
つるつるパイパンがコンプレックスで
特定の彼女も作れず
童貞をこじらせる日々…
だが、学生時代からの
親友・岳(がく)に秘密がバレてしまう!
しかもあろうことか岳は
「俺、ゲイでお前が好きなんだ」と爆弾発言をーー!!?


いや、なんというか。orz
コミックの帯からして、強烈な現実肯定のチカラヅヨサがまぶしい。

パイパンでもいいじゃん
 どんなお前でも
 しいよ。」


あーあーあー、カフェオレライターさんじゃなくても眼がチカチカするわ~。

大槻ミゥ作品って、そのやわらかい絵柄のわりにエロエロな技を繰り出してくる作家ってイメージがある。年の差、体格差とかが得意。本作も前半はパイパンカップル、後半はガタイの良いいかつい系男子受けという、マニアックな腐女子向けの詰め合わせ。僕はどちらも好きだが。

まあ、ゲイもコンプレックスと言えばコンプレックスの元だけど、パイパンコンプレックスと等価交換(?)できるほどのコンプレックスなのかな?と考えたら、ちょっと笑えた。
そのコンプレックス(?)については、別途室井理人の「テンカウント」で書こうと思っているのでここでは割愛するけれど。

カラダのコンプレックスって、それだけでも深いテーマなわけだけど、ゲイの世界において体毛が薄くて悩んでいる人っているだろうか??? ハゲで悩む人はいっぱいいるが。以前、体毛の濃い人たちが「オオカミ系」というジャンル作って流行らせようとしたけれど、結局頓挫したし。少なくともカルヴァンクライン・キャンペーン以来、ゲイの世界では「つるつる・すべすべ・体毛薄い」がメジャーを占めているように僕は感じてます。だから直史くんはゲイの世界では、むしろ価値ある側にいる人。


このページ見て、飲んでるコーヒーを吹いたよ。
まぶしい、まぶしすぎるわ~。
ネットでネタにされているマンガ「変われるよ、現に僕は変われた。○○○会に入って僕は変われたんだ」並の強烈なインパクトにクラクラするわ~。

1.絵柄
ホモマンガ好きの人には向いていない。少女マンガ好きの人には好まれる絵柄。キャラクターデザインはふわっとした若手リーマンや、美容師、アパレルにいそうな男の子って感じで僕は好きだな。まあ、前半のパイパンくんと、後半のいかちー系くんの顔が同じじゃないか!というツッコミは入れておきたい。

2.ストーリー
あらすじに書いたとおり。それ以上でもそれ以下でもなし。後半のラヴァーズファンデーションは、ケツの使えないウケの子が苦悩する話。あれは感じる人と、痛いだけの人がいるからなかなか難しいよなー。

3.エロ度
エロイ。汁ダク。
それにしても温泉でやるのは、夢でもやるなっつーの。

4.まとめ
五月病で落ち込んでいる人は、ぜひ「男同士とか、パイパンとか、かんけいないよすきなのに!」と言い切ってくれる恋人を「まっすぐで、まぶしい」とか思っちゃう恋をしてください。

絵柄 :★★★★☆
ストーリー:★★★☆☆
エロ度 :★★★★☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)

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