おひさしぶりの町屋はとこ。
「イイ関係で困ってる」なんて、タイトルからしてドヤ顔の川島永嗣選手を連想しますね。
「ベッド行くのめんどくせー、ここでしろ」
同じ会社の忙しい男同士。彼女作るヒマもないし、ヤリたい波も仕事の波も一緒。
クールな鳥羽とワイルドなおっさん(?)小野坂は、そんなエロくて楽なイイ関係……って、この関係、何だ?続くの? ――続けたいの、俺?
他、図書館司書と学生の年の差恋愛を10年以上追いかけた感動作等、男の芯の強さを描いた恋物語集。
目次には8本のタイトルが並んでいるけれど、実質4作品。
そのうち注目はタイトルの「イイ関係で困ってる」と「誘う図書館」の2作品でしょう。
町屋作品は、キャラクターデザインは淡泊なのに、ストーリーと台詞、そしてHなシーンが大変エロイのがステキ。まあもっとステキな肉体を活写される作家は何人もいるのだけれど、絵と台詞が互いに引き立てあってエロを盛り上げて行く手腕は巧みだと思う。
それにしても、最近のBLは少しずつ別の世界に向かおうとしているんだなって感じる。そもそも竹宮恵子が少女漫画誌上でベッドシーンを描きたかったから、風と木の詩が産み出された。風と木の詩は少年愛がテーマだけど、別に彼女はそれを追求したかったのではないらしい。その後JUNEが現れて、こちらは「女性体を忌避したい女性が描く、恋愛漫画」で、乳房のない女の代わりに少年の身体をあてがっていたわけで。
それが最近の作品だと、人間の肉体が抽象化の方向に向かって女でも男でもない線画になっちゃっているものが増えてきているような気がする。ゲイ的にはそれはつまらない。まったくどういうトレンドなんだろう……ああ、別のトレンドで言えば乳首の描写率が上がってきていて、しかも積極的に活用しているケースが増えてきているのもなにかの流れのような気がする。
1.絵柄
町屋はとこのキャラクターは薄い顔が多くて、しかも表情の変化があまりないので、好き嫌いは分かれるところ。一方でボディラインの描写はそれなりにエロイ……というか、この作家は体位について研究熱心だと思う。
2.ストーリー
ノンケが流されてセフレになって、そのうち相手に惚れちゃったというやや安直なストーリー。だけどアラブものなんかに比べればかわいいもんだ。「誘う図書館」の方は図書館司書と高校生という年の差カップル。「若さってのはすごい。すごい順応力、成長のはやいこと。それなのにまっすぐさは変わらないという恐ろしさ……」続きは本編でどうぞ。
3.エロ度
台詞の選び方にエロさの胆があると思う。
「ヒゲ、いつまで伸ばしてんだよ」
「アーティストぽいって評判いいんだぜ?」
「ふーん、俺のチンコ擦りあげるためじゃないんだ……」
バカップルどもめ……
4.まとめ
登場人物が大人同士の作品を描く作家は大事です。金持ち私立高校に入学したら、いきなり生徒会室に連れ込まれ、美貌の生徒会長とニャンニャン、みたいなトンチキ作品の中で掃きだめの鶴のように屹立し続けてください。
絵柄 :★★★☆☆
ストーリー:★★★★☆
エロ度 :★★★★☆
(あくまで個人的主観に基づく★の数です)
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