広島・松山旅行記(20) 道後 湯築の杜 うめ乃や その参

翌朝、僕たちは6時前に目を覚ました。
出発の準備を整えて、6:30から利用できる温泉で寝汗を濯いだ。
予約時に早めの食事開始をお願いしてあったので、7:00にはお膳が整えられていた。
地場のジャコ天を味わいつつ、湯豆腐が温まるのを待った。




お腹いっぱいなったあと、時間はあまりなかったが、庭に出してもらった。
僕らはすっかりこの宿のことが好きになっていた。
100年、さらに100年ここでお客を迎え続けてくれたらいいなと思った。

スーツケースを引き摺って、うめ乃やを出る。
宿の主人に見送られて、僕らは湯築城を眺めながら緩い坂道を下って行く。

道後温泉駅の小さな広場から空港へ向かうバスが出る。
ハイデッカーバスの車上から眺める城下町は、普段の火曜日の朝。
仕事に向かう通勤客とは逆方向に、松山駅で客を拾ったあと、バスは空港を目指して一直線に走る。チェックインを済ませたあと、彼氏と展望デッキから外を眺めていた。あと30分で彼は関空へ、僕は成田へ。旅の終わりは感傷的になる。次はどこへ行こうか……そんなことをおしゃべりしたあと、僕たちはそれぞれの飛行機が待つボーディングゲートに向かって歩き出した。


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