恨と怒 (私的日韓関係雑感)

1.プロローグであり、結論

========================================
「保守」と呼べないのはもちろん「国家主義」「愛国主義」「民族主義」にも、あるいは漠とした「右翼」にも括れない、言わば右翼の亜種とも言うべきネット右翼、それもネトウヨと蔑むにふさわしい集団がネットから街頭へ進出し、悪乗りしている。韓国料理や韓流関連の商店がひしめく東京・新大久保を練り歩き、「良い韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」「大虐殺するぞ」などと叫び、少数弱者をターゲットに憎悪をぶつける姿は醜悪だ。今年は関東大震災の朝鮮人・中国人虐殺から90年になる。公然と組織的に「大虐殺」を口にする集団の出現は、その関東大震災以来のことではないのか。悪乗りが続くことになれば、日本社会の心の奥底が改めて問われることになろう。本紙記者が語り合った。
========================================
民団新聞 2013年3月27日
http://www.mindan.org/shinbun/news_view.php?page=18&category=2&newsid=17219

在日本大韓民国民団(以下「民団」)の記者たちの分析は、上記の原典に当たって見てください。在日韓国人の認識の参考にはなると思います。

在日特権を許さない市民の会(以下「在特会」)の「ヘイトスピーチ」を、在日韓国人・在日朝鮮人(以下「在日」)勢力と、有田芳生参院議員(民主党)が規制しようと乗り出してきました。東京都公安委員会へ提出された要望書にも目を通しましたが、「人種差別的なヘイトスピーチを伴うデモ」というキーワードが印象的でした。

槍玉に挙げられている在特会は、いまは姿を現したネット右翼(以下「ネトウヨ」)として、左翼陣営、右翼陣営、社会学者等によって様々な分析が行われています。彼らの分析をまとめると、「ネトウヨは、閉塞感に包まれた低所得な社会的弱者が、保守のふりをして外国人排斥、生活保護世帯を攻撃し、鬱憤晴らしをしている集団」として認知されているようです。

でも、それは正鵠を射た分析なのでしょうか?
僕はずっと疑問に思っていました。

作家塩野七生氏が著書の中で、英国の作家ケン・フォーレットの発言を紹介しています。「人は誰でも、自分自身への誇りを、自分に課された仕事を果していくことで確実にしていく。だから、職を奪うということは、その人から、自尊心を育くむ可能性さえも奪うことになるのです」。だから、社会的弱者が自尊心を高め、自分たちの居場所を見つけたいために、在特会に参加してデモを行なっている可能性は多分にあります。
田原総一朗氏ら古い左翼な人達は、デモは本来インテリ学生が行うものだと決めつけているようです(ニートのデモを蔑視しているような空気が漂っているように僕は感じます)が、そんなことはありません。基本、デモは時間の余っているヒマな人達がやるのです。仕事のある人達が仕事を放棄してデモに参加するような事態になれば、それこそ社会崩壊の危機、国家存亡の危機なのです。

そんなわけで、なんとなく曖昧に一緒くたにされている在特会≒ネトウヨ(=人種差別)≒嫌韓は、別ものではないかと僕は考え始めています。問題の根源は別のところにあるのではないか。日本人は人種差別主義者(以下「レイシスト」)なのだろうか? 在特会のデモをもって日本人をレイシストとレッテル貼りする措置は、極めて危ういのではないか。在特会の表現は醜悪ですが、表現の自由、発言の自由を封じれば、あとはテロリズムしか残りません。有田芳生議員の要望書は、むしろ状況を悪化させる原因となるのではないかと個人的に危惧しています。

在日問題、所謂「従軍慰安婦」問題、竹島問題、日本海呼称問題、フジテレビデモ騒動、これらはすべて一本の糸で繋がっています。

僕は、ネトウヨの活動は、韓国政府、韓国本土人、在日が現在も進行させている「侮日と日本人差別」に対する、日本人からの有形無形のカウンターアタックではないかと考えています。彼らの「侮日と日本人差別」行動には、韓流ゴリ押しなんかも入ってきたりします。そして、この日本侮蔑活動に、日本国内の反体制活動組織、たとえば従軍慰安婦問題を捏造した福島みずほ、その捏造を撒き散らかした左翼メディアの朝日新聞などが密接に絡みついています。他にも九条の会系、××市民ネットワーク、○○協議会と称する、根っこはほぼ同一サークルに繋がってゆく左翼団体などなど。これらの団体に朝鮮半島工作勢力がかなり浸透していて、その極北が「民主党」という悪夢だったわけで。

ただ、日本のコミュニスト系反政府勢力まで語り始めると、多分きりがないので、ネトウヨをめぐるいくつかの出来事について考えてみたいと思っています。

民団新聞が指摘しているように、ネトウヨは『「保守」と呼べないのはもちろん「国家主義」「愛国主義」「民族主義」にも、あるいは漠とした「右翼」にも括れない』。ネトウヨとは右翼でも左翼でもなく「韓国人、朝鮮人の日本人差別に対する日本人からのカウンターアタックが、社会の様々な立場を超えて姿を現しつつある局面」ではないでしょうか。

僕はこれを「恨と怒り」という切り口で、再考してみたいと思います。
朝鮮半島の恨に対する、日本の怒り。
韓国ウォッチャーの方々には、腑に落ちるキーワードではないかと思うのですが。

0 件のコメント:

コメントを投稿