スティーブ・ジョブズのプレゼン術はね……

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お昼時の混雑が一山越えた、13:00過ぎの毎日新聞ビル地下の赤坂飯店。
たぶん3年とか5年ぶりに訪れた。
ここの名物担々麺を啜りながら、僕はぼんやり考えていた。


あいかわらず、盛りつけが適当だよなあ~ (>_<)
おいしさが半減しているように見える……。

じゃなくて。

研修を受けていたプレゼンテーションのこと。

プレゼンテーションというと、ほぼすべての人がスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションを褒める。僕だって彼のプレゼンはすてきだと思っている。

だがしかし、ジョブズを褒めたあとの教材が、なんというか、落差が激しくてねぇ。

ジョブズのプレゼンテーションを褒める人たちは、例外なくスクリーンに映るシンプルなプレゼンテーション資料を褒める。Keynoteで作られた、1シート、1行または1グラフの映像……。それに比べて貴様らのプレゼンシートはごちゃごちゃとしていて落第だ!!というわけ。わからんでもないんですがねぇ。

プレゼンテーションって、なにから構成されるのか?
プレゼンテーションって、なにを目的に行われるのか?

って考え始めると、ジョブズのプレゼンシートがシンプルなのは理由があると思う。たぶん彼のプレゼンシートは「アジェンダ(または目次)」だからシンプル。プレゼンシート自体にほとんど情報を載せていなくても、たぶんOK。。

じゃ、プレゼン資料はなにか?
それは彼の手の中にあるiPhoneとか、iPadとか、Macbook Airだとか。

その魅力的な、「動く」プレゼン資料を動かして行く「目次」が、スクリーンに映っている情報。プレゼンターは、製品・サービスの生みの親で、観客に変わって操作してみせて観客を驚かすトリックスターがスティーブ・ジョブズとな。だから、トークとアクションで場を繋いで行けるのだと僕は思うのだが。

そして、彼のプレゼンは、結局、apple storeへ駆けつけて、あなた自身の目で、耳で、指先で、そのすばらしさを体験してくださいというインビテーションレターなんだよな。だから数字やら何やらを並べたてる必要があまりない。いわば、スティーブ・ジョブズによる「先行体験会」なのだから。

で、スティーブ・ジョブズのプレゼンの素晴らしさを歌い上げたあとで、実際の研修教材は新規事業の企画だとか、新規投資の提案、下手すりゃIRまがいの説明資料だったりする。こういうネタは、多くの場合、複雑になりすぎる。情報が多すぎる。削ぎ落として、削ぎ落としてシンプルにしたくても、結局、理屈の部分などの「地」の部分を削れないのだ。

そういう意味も含めて、プレゼン資料作りはむずかしいと思う。
ITの世界では、投資家を口説くためのプレゼン資料は、アイディアさえすばらしければ「紙ナプキン1枚の裏だけで十分」だったりする。アイディアがすばらしいほどシンプルで、それは力強いものになる。

でも、その後に続く「事業計画」のプレゼン資料は、わかりやすい書き方はあるにせよ、ジョブズのプレゼンシートとはだいぶかけ離れたものになる。特に日本人が作るものだとごちゃごちゃと情報を載せすぎていて、PowerPointじゃなくて、Wordで書いた方がいいんじゃないか?みたいなケースも多々あり。結局「プレゼンシート」なのか「説明資料」なのか、それとも「参考資料」なのか、はっきりしないで作られたものが多いということなんだろうな。

そんなこんなで、やっぱりあまりジョブズ引き摺られすぎてはあかんとも思ったりしたんだ。ちなみに、講師は「IT業界にありがちな、プレゼン資料にアニメーション効果や、意味もなくサーバのイラストを置いたりするのはノイズだからやめれ」と言っていました。

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