ドンムアン空港からプーケットへ (タイ・シンガポール旅行記)

スワンナプーム国際空港からドンムアン空港へ向かうバスは、エアポート・レール・リンクの線路に併走する高速道路を走る。僕たちと一緒に揺られている乗客たち…正直なところバックパッカー率が高いような気がする。それもそのはずで、かつてバンコクの空の玄関だったドンムアン空港は、現在はLCCが利用する空港になっているのだという。シャトルバスは市内中心部近くのジャンクションを曲がり、頭を北へ向けた。ここから約20kmの道のりは、おそらく建設中の鉄道の高架線とずっと並行していた。

僕らが搭乗するプーケット行きのAir Asia機は、13:40に離陸する予定だった。予定より1便遅れたため、ドンムアン空港ではずいぶんと時間をもてあますことになった。当初はプーケットでお昼ご飯を食べようという予定だった。

無事にチェックインし、荷物を預けたあと、僕たちはドンムアン空港でお昼ご飯を食べることにした。フードコートにあるタイ料理店。僕はローカルフードを食べることが楽しくなってきていて、トムヤンクン風味のカオ・パットを頬張る。タイ料理にはプリプリのエビがよく似合うと思う。レストランの端っこのテーブルに陣取った僕らは、眼下のコンコースを行き来する旅行客の姿を飽かずにながめ、そしておしゃべりに興じた。遠くを見やると、巨大な国王陛下をはじめとする王族の写真がいくつも並ぶ。ここはタイだった。



やがてレストランで時間をつぶしているのも飽いて、ボーディングゲートの前へ移動した。ドンムアン空港の内装は、近代的なスワンナプーム国際空港とは違い、ずいぶんと古ぼけた感じがする。昔の中正国際空港、現役のホノルル国際空港のようなイメージだ。でも古き良き時代の国際空港……なんとなく兼高かおるさんが世界を旅していた頃の、良い時代の空気が漂っているような気がした。




僕らの搭乗するAir Asiaは、よりにもよって出発ゲートのほぼ一番端っこにあった。売店も何も遙か数100メートルは離れている。コーヒーを買って、僕ら以外誰も乗客のいない待合室でおしゃべりする。やがて乗客たちが集まり、賑やかになったところで例のごとく滑走路を歩いて搭乗する。



レガシーキャリア……というのは失礼で、フルサービスのエアラインに搭乗している彼氏の目に、LCCはどんな風に映っているのだろう。彼氏は僕とつきあい始めてからLCCに乗ることが増えたと思う。エア・ベルリン、エア・アジア、そしてプーケットからシンガポールへ移動するために予約したタイガー・エアとか。着席した彼氏がきょろきょろと辺りを見回している。Expediaの広告が貼られたオーバーヘッドストレージは、彼氏の目にはいろいろな意味で衝撃だったのではないだろうか。

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