反原発主義者で、フランス人の有名司会者ローラン・リュキエ氏は、表現の自由を主張するとともに、本騒動を「ばかげた議論だ」と言ってるそうです。
表現の自由、仰る通り、大事な自由だと思います。
だけど、ブラックジョークってのは発言者と受け手に大変な知性が要求されるものでございます。全く当事者ではない一日本人の僕は、合成写真を見て「美しくないなあ」と感じたんですよ。スポーツ選手の肉体って、鍛えあげられて、均整がとれていて、本当に美しいじゃないですか。そこに首から腕が生えたようなチャチな合成を行なって、醜悪なクリーチャーにしてしまったセンスが、イケてないよなあ。
それから、実際奇形児として腕4本で生まれてくる赤ん坊とかいるでしょうし、僕は寡聞にして知りませんが、実際に腕を4本持ち、異形の者として過酷な人生を生きている人もいるかも知れません。そういう人達にとっては相当の侮辱でしょう。
そして、現在進行形で福島原発事故で苦しんでいる人達がいる。
いや、原子力事故の結果、腕が4本生えてしまったブラックジョークの写真を作りたいんなら、自分の写真で、自分をジョークのネタにして、反原発を訴えるならまだ救いがあったんです。例の川島の写真の顔の部分をローラン・リュキエ氏に置き換えるとかね。この騒動は、他者への思いやりをなくしてブラックジョークをこしらえてみせたローラン・リュキエ氏と、これを見て笑ったフランス人視聴者たちの知性の限界が露呈したのではないのかと。
自分の主張を、他者を造り変えることによって具現化してみせるのは悪趣味です。そして、表現の自由を盾にして、自己の主張・表現を正当化するのは、なんだか典型的なサヨクっぽいなあと思うのです。
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川島写真謝罪 司会者が「ばかげた議論」
フランス国営テレビの番組で、サッカー日本代表のGK川島永嗣選手に腕が4本ある合成写真を映し「(東京電力)福島(第1原発事故)の影響」などと発言した司会者のローラン・リュキエ氏は16日、日本側が抗議しフランス側が謝罪したことについて「ばかげた議論だ」と語った。17日付のパリジャン紙が報じた。
リュキエ氏は同紙に「私の冗談の対象は2つ。日本に負けたフランス代表と、原子力災害が引き起こす結果だ」と述べ「私は福島の被災者に敬意を持っており、被災者については何も言っていない」と主張した。
13日夜に放送された同氏の発言について、在フランス日本大使館が16日未明にテレビ局に抗議。同日のパリでの会談でファビウス外相が玄葉光一郎外相に「申し訳ない」と陳謝。テレビ局も「日本の皆さまの心情を傷つけたことに関し、深くおわび申し上げます」と謝罪した。
[2012年10月17日22時43分]
出典:日刊スポーツ
http://www.nikkansports.com/soccer/japan/news/f-sc-tp2-20121017-1033961.html
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