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なんというか、これが"秋の花粉症"ってヤツですか?
春の花粉症とは長いつ きあいなので、身体の方がかわし方というか、受け身の方法を心得ているのでそれほどつらくないんだ。秋の花粉症(?)は今年発症なので、免疫がパニクって 暴走してる。そのせいで、内分泌系が乱れに乱れてもうめちゃくちゃ。カンベンしてよ。ほんと。目に見えないなにかに24時間強姦されているような気分だ よ。
んで。特に話題はないんだが、"BROKEBACK MOUNTAIN"を見終わりました。
原作と映画どちらが良いかといわれると、どちらもそれぞれ良い。文字の方が内面について多くを語っているし、映像は実際の情景を映し出せることにアドバンテージがある。
この映画を見ながら、時間の流れと自分の年齢とを重ね合わせていた。主人公が出会った夏が1963年。僕の生まれる5年前だ。そしてジャックが殺されたのが20年後の1983年。僕が中学生の頃という設定になる。
1963年。すでに自動車が走り、原子力潜水艦の沈没が事件になっていた時代に、山の奥で馬に乗って羊を追い回している青年がいる。それもとても貧しいPoor Whiteと呼ばれる経済層に属する二人だ。
カウボーイと言えば、アメリカ男子のルーツだ。もともと誇り高いはずの人たちが、現代では食って行くのがやっとという赤貧層に落ちている。都会での豊かな暮らしに背を向け、家畜を追う生活は、ある意味時代錯誤ですらある。
アメリカ人たちはこの現実をどう思うのだろう。自分たちのルーツを守ろうとすれば、食っていくことすら出来ない。でも、いまでもアメリカ人の男の中にあるマッチョな男性像のルーツはカウボーイなのだよ。
そして同性愛の関係となった主人公二人は、一人は幼少時代に父親が関係していると思われるゲイ殺人事件を見せつけられ、そしてもう一人はホモフォビアな男たちに殺される。なんて陰惨な話だ。誇り高いカウボーイたちは、裏返せばひどく不寛容ということだ。これは主人公ジャックの父親が典型的な例だ。子供を愛すことよりも、ジャックが同性愛者であったことに腹を立てている。その怒りの原因はなんだろう?宗教的な理由か?カウボーイにあるまじき姿だからか?それとも世間体か??
アメリカ中西部というエリアは、保守的であり、不寛容で、原理主義宗教がはびこっていて、僕らがイメージしているアメリカとはまったく別の、底知れない恐ろしい場所だ。迂闊に触れてはならない……そんな話をかつてアメリカに住んでいる人間から聞いた。
伝統的で誇り高いとされる職業に就いている人たちが経済的に困窮しており、同性愛者を殺すことにためらいもなく、そこには自由、独立、博愛などといったアメリカの理想などどこにもない、という現実に人々は戦慄したのではないか?
友情の一線を越えてしまった男たちに生まれた愛情。人里離れた天上での自由と、地上の陰惨さと憎悪。経済的に行き詰まった人たちの、持って行き場のない怒り。
光と影の片方は目映く美しく、もう片方は底知れぬ闇を帯びる。それがともにわずか数十年前のアメリカという国の現実であると言うこと。中世さながらの惨たらしい殺人事件に、疑問をはさむ事すら出来ない沈痛な空気が漂うDeep America。ぱっくりと口を開いたその傷口から、アメリカに潜む恐怖と狂気がこちらをうかがっている。
だからこそ、アン・リーの撮った美しい風景が、哀調を帯びて見えるのだ。。
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