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今日は"ライブドアのガサ入れ"、"ヒューザー小嶋社長証人喚問"、"宮崎勤の最高裁判決"とネタ目白押しの一日だった。ライブドアのおかげで東証株価急落するし大迷惑。
といって個別に僕が語れるネタなんてないのだが、"バリュークリック"が"ライブドアマーケティング"なんて名前に変わっていたのは全然知らなかった。社名を書き換えることで会社の過去をかき消してその後事業内容を拡大してしまえば、そもそもなんの事業を行っている企業なのかわからなくなる。われながら古くさいと思うが、名は体を表すというのは本当ではなかろうか。"マーケティング"なんて胡散臭い。バナー広告クリックカウント会社っしょ?"ライブドア"自体が一度倒産した会社を買い取ってつけた名前だし。
日経新聞によると、ライブドアは「05年9月期の連結売上高784億円の6割近くを金融が占め、“本業”のポータル(玄関)サイト関連は1割に満たない」のだそうだ。そのポータルとてロイヤリティの低いユーザーに対して広告収入モデルで無料提供しているのだから、ポータル事業を大きく伸ばすってのは相当に難しいだろうと思う。最近のネットサービスってオープンソースを使ってちゃちゃっと構築しちゃうので同業他社の参入の敷居は低い。だから自社でオリジナルなものを構築するより、お金があれば「買っちゃえ」ということになる。開発をしている時間がもったいないというわけだ。競争力を維持し続けるために買い物を続けるしかない。しかし既存事業から十分に利益が上がってこない段階では、買い物の 軍資金は株高による錬金術に頼るしかなくて、だから彼らはグレーゾーンといつも背中合わせだったんだろう。
IT企業(とくにネットサービス系)ってこの10年間「やった者勝ち」という状態が続いていた。でも類似サービスばっかり。僕の知っている範囲で本当にオリジナルを持っているなぁと思えるのは、"google"と"はてな"位 かなぁ。あと小さいところで"関心空間"とか。"mixi"はどう捉えたらいいかな……そのほかは他社のパクリであったり、パクられていたり……ユニークでオリジナルなサービスを持っているところって本当に少ないと思う。ネットサービス系で、コツコツ技術を磨いてサービスを出してくる会社っていま何社ある んだろう?
代表的なIT企業といわれるライブドア、楽天が、実は既存の商取引経路をインターネットに置き換えただけであるというのは周知のこと。別にIT企業なんてたいそうなものではなくって、乱暴な言い方をすると、従来旅行代理店店頭や証券会社店頭など、わざわざお店まで出向いて専用端末を叩いてもらってやりとりしていた商売を一般ユーザーのPC端末に解放しただけ。理屈上では、端末を使って権利の売買をしている商売は、すべてインター ネットに置き換えることは可能だろう。
デジタルファイルになってしまった音楽もネット販売が盛り上がっているね。昔、音楽は興行師が仕切ってみんなが生演奏で聞いていたものだが、やがてレコードやCDというパッケージになってJASRACという新手の興行師が跋扈するようになった。オタク評論家の岡田斗司夫の指摘だったか……ルネッサンス時代のように将来アーティストはネットを使ってパトロンとなるコアなファンからの直接収入で生きていける時代が来るかもしれない、らしい。レコード会社などのパッケージ企業が不要になる。そうなるとデジタルデータになった音楽ファイルとその視聴権利をアーティストが不特定多数に直接販売する時代がやってくるのかもしれないね。
話は大脱線。(^^;
いまをときめく"google"の 検索機能は便利だけど、例えば引っかかってくるコンテンツは個人がボランティアで作っているものが少なくない。膨大なWebページから必要な情報を取り出してくれる検索機能は便利だが、じゃあ個人が提供するコンテンツは、検索サービス会社から見て、いつまでも水か空気のように"無料で手に入るリソース"として考えていて良いのだろうか?Blogは楽しいけれど、まぁ検索サービス会社様のメシ種を提供しているのかと思うと不思議な気分になる(Blogを置かせてもらっているexciteさんには感謝しています)。
オー プンソースを使ったシステムで構築され、広告収入モデルで利用者に無料で提供される差別化の難しいビジネスから、オンライン証券会社、旅行会社、etcの 日銭が入るビジネスへ移行するのがネット系企業の悲願だ。それとても"価格コム"のような情報提供サイトがいるから、談合でもしない限り結局誰の手元にも利益が残らない過当競争の世界に落ちてゆく。ああ、そういえば楽天なんかは"てら銭"ビジネスだったな。店子が儲からなくても関係ないってところでは、こ れは不動産賃貸とあまり変わらないか。
後知恵ではあるが"光通信"が時価総額で1兆円だかにいったとき「あのとき新日鐵を株式の交換で買収していたら、光通信は実業を手に入れることができるチャンスだったのに」と言っている人(※)がいた。虚業から実業へ逃げるチャンスはあったんだよね。
ひょっとしたらライブドアがフジサンケイグループに買収を仕掛けたのは、ネットとテレビの融合だとか、グリーンメーラーだったとかではなくて、実は虚業から実業へ乗り移るための必死の行動ではなかったのかと。
ミソをつけたライブドアが今後どういう展開を見せるのか。とても気になるところ。
これを機会に楽天、ライブドア、そしてYahoo!の次を行くネットサービス会社が誕生してくると、とても面白い展開になる。ひそかに期待してます。
※大前研一だったかも……
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